「男祭り」大脱走 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
男祭り
総合:85点
ストーリー: 85
キャスト: 85
演出: 85
ビジュアル: 70
音楽: 75
男たちが意地になって命懸けで行う大脱走計画を、明るく軽快に描く名作。それは戦争を背景にした深刻な劇というよりも、音楽も含めてまるでお祭り気分のような楽しさすら感じるのだが、もちろん本来は生命のかかったとても厳しいはずの話である。だが結局このようなまるで祭りででっかい打ち上げ花火を上げるような雰囲気を作り上げたことによって、男の意地や生き様やかっこよさなんかが前面に出て少し軽く楽しめる映画となった。
物語もいい。囚人たちをまとめること、情報や物品獲得や誤魔化しのための看守とのやりとり、脱走計画の立案、トンネル掘り実行における問題とその解決といったことがバランスよく物語に織り込まれ、破綻することなく綺麗に最初から最後までの流れを作り上げている。このあたりは流石に実話が基になっただけある。
またマックイーン、コバーン、ブロンソンといったこれまた男臭い俳優の代表のようなやつらたちが、女の殆ど登場しないむさ苦しい画面の中で汗まみれ・泥まみれ・血まみれになりながら思う存分に行動していく様も楽しめる。命の危険を考えれば脱走などせずに終戦までとどまったほうが生存確率は高いかもしれない。実際、現実は厳しいし必ずしも楽しいばかりの成功物語ではないのだが、追い詰められた状況の中でも常に前向きに生き抜き何かをやらないと気がすまない彼らの姿が痛快。
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