「巨大スクリーンで観るべき映画」大脱走 Masayaさんの映画レビュー(感想・評価)
巨大スクリーンで観るべき映画
中学になったばかりの頃、初めて自分の小遣いで観た洋画です。当時は少年達の間でモデルガンが流行っていて、兵器見たさに観ただけの戦争映画でしたが、アメリカ映画のスケール感と面白さ、スティーブ・マックイーンを筆頭とする魅力的なスター達に日本映画とはちがったエンターテインメントの世界を知り、すっかりハマってしまいました。
ナチスの捕虜収容所から250名の脱走という実話とは思えない奇想天外なストーリーに派手なアクションは、反戦主義を前面に出した他の作品や現代のリアル志向な戦争映画とは違うスタイリッシュさとスポーティーさを備えていて、娯楽性も豊かで飽きさせません。
脱走に至るまでのプロセスや個性的な各人物の描写、シリアスとユーモアのバランスの取れた脚本・演出は見事で、黒澤明の「七人の侍」にも通じ、さすがに西部劇リメイク版「荒野の七人」を撮ったジョン・スタージェス監督だけあります。作品同様もっと評価されても良い監督だったのではないでしょうか?
今でもコマーシャルに使用されたりする有名な「大脱走マーチ」に代表される映画音楽の巨匠エルマー・バーンスタインの音楽も、シーンや人物の動きにしっかりと寄り添って効果的にドラマを盛り上げています。
「何度観ても面白い!」
と言える不朽の名作、そしてマックイーン、ブロンソン、コバーン等のきら星の如き俳優達と一挙に出会えた事は、その後の私の映画人生に大きな影響を与えてくれました。感受性豊かな時期に初めて自分の意志で観た洋画がこの作品で良かったと改めて思います。そして、その映画を再びスクリーンで見る機会を与えてくれた「午前十時の映画祭」に感謝致します。終わってしまうのは残念ですが、またいつか再開していただける事を祈りつつ・・・一言、
「テレビやスマホの画面だけでなく、たまには映画を巨大スクリーンで楽しもう!」