劇場公開日 1954年10月27日

「女同士の戦い」大砂塵 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0女同士の戦い

2025年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1954年。ニコラス・レイ監督。鉄道敷設が行われようとしている小さな町。5年前に外からやってきて酒場をつくった女主人は、街の嫌われ者のダンシング・キッドと親しくしていることからもあって、古くからの住民と一触即発の状態。そこへ、女主人に招かれてやってきたギターを担いだ流れ者ジョニー・ギター。大胆なふるまいで争いに巻き込まれていくが、実は女主人のかつての夫であり、一流の銃の腕前からボディガードを頼んだのだった。やがて二人の愛が再び燃え上がる、、、という話。
これすばらしい。ダンシング・キッドを慕いながらそれを認められない町の有力者の妹エマの女主人への憎しみが主題。無実の罪を女主人に押しつてリンチにあわそうとしたり、酒場に火を放ったり、キッドの仲間たちと謀って女主人を追い詰めたり。この憎しみが自らの認めがたい恋から発してるのがおぞましい。最後の女二人の決闘は女主人のジョーン・クロフォードによって変更された脚本らしいが、こうなるほかないと思わせる。
これでもかと高低差を利用したカメラ位置、ロケ撮影で水も火も土煙もふんだんに盛り込み、主人公の衣装は色彩豊かでかつバラエティに富んでいる。因縁を解き明かす前半は会話が多く、後半は次々とアクションが起こる。とにかくすごいというしかない映画。

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