「インパクトのある名シーンのオンパレード! 30年以上もI'll be backし続けることになるとはスカイネットもビックリ!」ターミネーター たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
インパクトのある名シーンのオンパレード! 30年以上もI'll be backし続けることになるとはスカイネットもビックリ!
人気SFアクション、『ターミネーター』シリーズの第1作。
機械と人間による戦争が続く近未来。
人間側の指導者ジョン・コナーの母親であるサラ・コナー抹殺のため、未来から送り込まれた人造人間「ターミネーター」と、彼女を守るために未来から送り込まれた戦士カイル・リースとの死闘を描く。
監督/脚本は後のオスカー監督ジェームズ・キャメロン。本作が彼の出世作となる。
未来から送り込まれたターミネーター、T-800を演じたのは『ロング・グッドバイ』『コナン・ザ・グレート』のアーノルド・シュワルツェネッガー。
『ターミネーター2』はTVで何度となく鑑賞したが、実は『1』は観たことが無く今回が初鑑賞!
かなりの低予算で作られたB級映画だったらしく、たしかに冒頭の未来での戦闘シーンとかかなりオモチャっぽい。
また、金属骨格が剥き出しになったT-800が歩いてくるシーンのストップモーション・アニメは流石にショボい。
とはいえ、今ならCGで処理することができる問題を、低予算という制限の元で知恵を駆使して解決していることにはとても感心します。
というか、カーアクションやバトルシーンが凄くしっかりしているので正直低予算には見えないくらいに、迫力ある映画になっている。
脚本もすごく練られている様に感じた。
観客が当然疑問に思うことを、カイルが精神判断を受けるシーンで自然かつわかりやすく回答している。
何故カイルが未来から送り込まれて来たのかも、なるほどっ!というアンサーが用意されていて納得できた。
クライマックスのメキシコでのやりとりも粋じゃないですか。
妊娠しているサラが、現地の子供に写真をパチリと撮ってもらい、嵐が来るぞ、という不穏な雰囲気で終了。綺麗に纏まってますねー。
この場面でのサラの表情とか雰囲気が凄く良い!
これまでのチャラい女子大生と言った感じから、覚悟の決まった戦士の顔に変わっていて、リンダ・ハミルトンいい仕事してるな、と思った。
まぁ、なんといってもこの映画の魅力はシュワちゃん演じるターミネーター!これに尽きます。
あんな魅力的な悪役を出てくれば、面白くなるに決まっている!
シュワちゃんの筋肉アピール満載の裸体での登場から、街のパンクスから服を強奪するまでの短い時間で、ターミネーターがいかに強くてヤバい奴かがすぐにわかる。
本作に刑事として登場しているランス・ヘンリクセンがターミネーターを演じる予定だったらしいが、もし彼がターミネーターだったらここまでの人気は出なかっただろう。
それほどまでに、シュワルツェネッガーという個性が映画と絡み合って凄いパワーを引き出している。
ターミネーター登場シーンや、ターミネーターが自らの体を修理するシーン、「I'll be back」からの警察署襲撃シーン、金属骨格剥き出しで襲ってくるシーンなど、本作は名シーンだらけだが、その全てがターミネーター絡み。
それだけ彼が魅力的だということだが、逆を言えば主人公カイルとヒロインサラ・コナーの魅力が乏しいということ。
カイルもシュワちゃんも同じ方法で未来からやってくるわけだが、この登場シーンがやけに対比的に描かれていて、カイルの情けなさが目立つ。
よく考えると指導者の母親の若い頃の写真を貰って、その人物にずっと恋していたというのは結構気持ち悪い。
カイルとサラのラブシーンも、物語上必須とはいえ唐突すぎる感じは否めない。
T-800が映っていない所は軒並み退屈だという欠点はあるが、インパクトが凄い映画なのは間違いなく、現代まで新作が作られ続けることにも納得。
しばらく脳内に「ダダンダンダダン!」とターミネーターのテーマがながれ続けるのは必定です。