ダーティハリー3のレビュー・感想・評価
全5件を表示
今回は女性相棒との捜査が中心かな
初めてではないけれど、観たのはかなり前なのでほぼ覚えてなかったですが、女性の相棒、ムーア刑事:タイン・デイリーさんがいい感じでした。殺されるのが残念でした。これっきりの女優さんかと思って調べてみたら、TVでご活躍だったようで、最近ではスパイダーマン ホームカミングにも出演していたのですね。
今回の敵は人の命を微塵にも思わない極めて残忍な奴を含む、一見狂信的なテロリスト集団で気分が悪くなるくらいでしたが、特に黒幕はおらずサスペンス性はないし、やっつけ方もロケット弾であっさりということで、ちょっと物足りない感じでした。
POLICE WOMAN
クリント・イーストウッド主演の人気シリーズ三作目。
犯罪撲滅のためには手段を択ばぬ暴力刑事ハリー・キャラハン。高額賠償請求を伴う手荒な方法で強盗を撃退したせいで、人事課に左遷される羽目に。
その際、昇格人事で面接した事務方あがりの女性警官ケート・ムーアに女性蔑視的な発想でダメ出しするが、凶悪テロ犯の対処のため現場復帰した彼が組むことになった相棒は…。
人種対立や性差別に、多発する暴力犯罪、政治の介入等々、当時の社会問題てんこ盛りの感のシナリオを手掛けたのは名脚本家スターリング・シリファント。
オスカーを含む複数の賞を獲得した『夜の大捜査線』(1968)が代表作だが、多くのパニック・ムービーにも携わった多才な彼らしい多彩な(?)作風に。
一方で、背景にはベトナム帰還兵の問題も配されており、社会派的な一面も。必ずしもバイオレンス大好きな脳みそ二頭筋の人たち向けの作品ではないような気もする。
音楽を担当したジェリー・フィールディングは左翼活動家でもないのに、ロシア系ユダヤ人という理由で赤狩りの標的にされた気の毒な経歴の持ち主(本名がヨシュア・イツァーク・フェルドマンという、いかにもな名前)。
若い頃、エリントン楽団の名ピアニスト、ビリー・ストレイホーン(『A列車で行こう』の作曲者)に師事していただけあって、本作のジャジーでノリのいいサウンドも納得の仕上がり。
黒人グループのリーダー、ムスタファを演じたアルバート・ポップウェルは、ここまでの三作すべてに異なる役柄で登場。愛称は「ポピー」。
サンフランシスコの明るい日差しの元で撮られたシーンやBGMのイメージ、型破りなハリーと杓子定規な新米刑事ケートの噛み合わない関係がコントみたいなせいで、陰鬱な印象の強い前二作と違い軽妙なテンポでストーリーは展開するが、ケートが殉職するラストで一挙に暗転。
残酷な結末だが、作品性を高めるのには必要なプロットだったと思うし、女性警官の殉職はその後ポリスアクションものの定番のひとつに。
ハリーの相棒が女性警官というアイデアは加速する女性の社会進出という当時の風潮も影響しているが、ほかにも重要なモチーフが存在する。
それは本作公開の二年前から足かけ5年に亘り放送された大ヒット刑事ドラマ『POLICE WOMAN(原題)』。
タイトルが示すとおり、女性警官(潜入捜査官)が主人公だがその人気たるや放送中、本国での女性警官の志願者が爆発的に増加したといわれたほどで、デスクワーカーのケートが刑事を志すエピソードにも反映されている。
日本でも民放で放送されたが、アメリカほどの人気が出ないまま短期間で打ち切りに。
ちなみに邦題は『女刑事ペパー』。
阿久悠先生なら、きっと観ていた…かも。
BS日テレにて視聴。
時代を映してシリーズ化
第5作まであるが、その時代背景を映して、ストーリーを作っている。女性が男性だけの職場にも社会進出、ベトナムの帰還兵、警察の腐敗と政治からの圧力、マスコミへの誇張報道など、アメリカの問題を背景にしているのだろう。3は、小さな犯罪や犯罪まがいの描写が目立った。急病と称しての無銭飲食、人質を取っての逃亡、ぼったくりの性産業などがサイドストーリーの見せ場。初の女性刑事とのシーンが多く、面接試験、死体解剖の立会、犯人の一人の追跡、履歴の会話など。
殺人課で初の女性刑事なら防弾チョッキ位着ろよと思いながら、相棒が死ぬのがお約束だから仕方ないか。ラスボスをどうやってやっつけるかが見どころなのだが、ポータブルのバズーカとはね。近くにいた市長も一緒に吹っ飛びそうだけど。ダーティハリーにしては、昼の明るいシーンが多めで、女性刑事も登場して、ライトで明るい仕上がりになっていた。
SWATの代わりにハリーと相棒がテロリストに挑む
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
昔、表向きは革命と称して自らを美化し、犯罪を重ねる凶悪犯罪者たちの事件が世間を騒がせた。この作品はそれを意識して作られたのだろう。兵士あがりのテロリストは残虐で頭も悪くないし強力な武器の使用にもたけていて、普通の刑事が扱うには手に余る。むしろSWATやFBIが相手にするような敵だろう。そんな強敵の相手をするのが、頭はいいし努力家だが現場で凶悪犯を相手にするには頼りがいのなさそうな女性の相棒というのが一風変わっている。その状態で彼女なりに頑張っている姿がとても健気だった。将来はいい警官になるかと思ったが残念な結末だった。
ハリーが娼婦館に潜入捜査する場面のかみ合わなさとひどさが滑稽で、何気に気に入っている。南極の人形の意味がこの場面を観てわかった。
敵が革命家
クライマックスは革命家の若者とキャラハンがアルカトラズ島で対決するという非常にテンションの上がる場面で、とても面白かった。市長がすぐ近くにいるのにお構いなしにバズーカをぶっ放すところが最高だった。
ただ、革命家たちのキャラの掘り下げがほぼないに等しく、彼らの人間性も追及してほしかった。革命家のドラマが好きなので物足りなかった。しかしそれを言えば、前作の白バイ隊も大して掘り下げていなかったので、このシリーズはそういった方針なのかもしれない。
その反面、売春宿ではせっせとおばさんがキスマーク付きのDMを作っている描写などやたらと丁寧だった。
新人の女刑事と組まされて最初は嫌々だったのが、次第にお互いを認め合っていくところが感動的だった。彼女が撃たれて死んでしまうのは悲しかった。
キャラハンのヤクザや上司に脅されても一切動じない感じがやはりとてもかっこよかった。男としてほれぼれする。
全5件を表示


