ダーティハリー3のレビュー・感想・評価
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時代を映してシリーズ化
第5作まであるが、その時代背景を映して、ストーリーを作っている。女性が男性だけの職場にも社会進出、ベトナムの帰還兵、警察の腐敗と政治からの圧力、マスコミへの誇張報道など、アメリカの問題を背景にしているのだろう。3は、小さな犯罪や犯罪まがいの描写が目立った。急病と称しての無銭飲食、人質を取っての逃亡、ぼったくりの性産業などがサイドストーリーの見せ場。初の女性刑事とのシーンが多く、面接試験、死体解剖の立会、犯人の一人の追跡、履歴の会話など。
殺人課で初の女性刑事なら防弾チョッキ位着ろよと思いながら、相棒が死ぬのがお約束だから仕方ないか。ラスボスをどうやってやっつけるかが見どころなのだが、ポータブルのバズーカとはね。近くにいた市長も一緒に吹っ飛びそうだけど。ダーティハリーにしては、昼の明るいシーンが多めで、女性刑事も登場して、ライトで明るい仕上がりになっていた。
SWATの代わりにハリーと相棒がテロリストに挑む
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
昔、表向きは革命と称して自らを美化し、犯罪を重ねる凶悪犯罪者たちの事件が世間を騒がせた。この作品はそれを意識して作られたのだろう。兵士あがりのテロリストは残虐で頭も悪くないし強力な武器の使用にもたけていて、普通の刑事が扱うには手に余る。むしろSWATやFBIが相手にするような敵だろう。そんな強敵の相手をするのが、頭はいいし努力家だが現場で凶悪犯を相手にするには頼りがいのなさそうな女性の相棒というのが一風変わっている。その状態で彼女なりに頑張っている姿がとても健気だった。将来はいい警官になるかと思ったが残念な結末だった。
ハリーが娼婦館に潜入捜査する場面のかみ合わなさとひどさが滑稽で、何気に気に入っている。南極の人形の意味がこの場面を観てわかった。
敵が革命家
クライマックスは革命家の若者とキャラハンがアルカトラズ島で対決するという非常にテンションの上がる場面で、とても面白かった。市長がすぐ近くにいるのにお構いなしにバズーカをぶっ放すところが最高だった。
ただ、革命家たちのキャラの掘り下げがほぼないに等しく、彼らの人間性も追及してほしかった。革命家のドラマが好きなので物足りなかった。しかしそれを言えば、前作の白バイ隊も大して掘り下げていなかったので、このシリーズはそういった方針なのかもしれない。
その反面、売春宿ではせっせとおばさんがキスマーク付きのDMを作っている描写などやたらと丁寧だった。
新人の女刑事と組まされて最初は嫌々だったのが、次第にお互いを認め合っていくところが感動的だった。彼女が撃たれて死んでしまうのは悲しかった。
キャラハンのヤクザや上司に脅されても一切動じない感じがやはりとてもかっこよかった。男としてほれぼれする。
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