「大地震の被災地を巡るドキュメンタリーロードムービー」そして人生はつづく サニーインティライミさんの映画レビュー(感想・評価)
大地震の被災地を巡るドキュメンタリーロードムービー
「友だちのうちはどこ?」ち続くアッバス・キアロスタミ監督の作品
三部作とは知らず、おすすめに出てきたので視聴
イランで起きた大地震の後ちアッバス監督が「友だち〜」に出演した子役の安否を確認しに行く道中で色々な人達に地震の記憶を尋ねる構成
地震の話をして、という監督に、彼らは状況を話す
不思議と、暗さを感じる事は少なく、淡々と、時には明るく語っていく
地震後に瓦礫の中でたくましく生活する人々が描かれている
多くの親類を亡くしても生きていかなければいけない
日本とは違い、根強く宗教が国民の根底を支えているんさのだと、無神論者の私とは違う感覚というか、人生へのあり愛の付け方は、学びになる
子どもを亡くしても、それは神の思し召し
私には少しドライに感じてしまうが、結局残された者は生きていくしか無いのだ。。。
でも、監督の息子役のプラは、アブラハムが差し出した息子を救った神が人を殺したりはしないと諭す
あんな小さい子までが、髪のことを考え語る。。。少しカルチャーショックだ
ただ、その話を聞いた母親は悲しそうな顔に見えた
そして、どんなに酷い状況でも自分だけのために動く人は少なく、お互いに助け合っている姿には、感動を覚える
探していた子たちを遠目に確認し、急な坂道をボロ車で登っていく途中で映画は終わる
登れるかな登れないか分からない坂で、監督(役)は、荷物を運ぶ男を助けずいったんは素通りする
しかし、動かなくなった車を彼に助けられ、結局は彼を車に乗せて安否確認したい彼の元に向かう
どうにかなるさ、助け合い、というのも彼らの神の教えなのだろう
完結となる三部作のラストの作品が楽しみだ