「ネイティブアメリカンへの偏見と憎悪に憑かれた西部男の生き様と孤独」捜索者 グスタフさんの映画レビュー(感想・評価)
ネイティブアメリカンへの偏見と憎悪に憑かれた西部男の生き様と孤独
ネイティブアメリカンに誘拐された姪を何年もかけて追跡するイーサン・エドワーズの生き様が、ひときわ輝く西部劇の名作です。彼のネイティブアメリカンを嫌悪し差別する偏屈さが、事件解決を諦めない執念深さに繋がります。助手のマーチン・ポリーは、命の恩人と慕いながら、チェロキー族の血を八分の一受け継いでいることで嫌われて、目的の為には手段を選ばないイーサンの独断専行に振り回されます。このイーサンとマーチンのぶつかり合いながら進む捜索が、結果が予測できる単調なストーリーを変化に飛んだものにすると共に、発端の殺害事件と当てもない捜索から受ける深刻さと暗鬱さを、ふたりのときに楽しい掛け合いが和らげて、喜怒哀楽がある絶妙なバランスで進む人間ドラマしているのです。特に、マーチンと牧場主の娘の恋愛トラブルを映画のクライマックスの前に持ってきた脚本の構成力は素晴らしい。フォード監督得意の大格闘を楽しんでからの急展開が、堪らない。
堅物イーサンを演じるジョン・ウェインの魅力が傑出しています。ジェフリー・ハンターもなかなかの好演。勿論フォード監督の演出とウィントン・C・ホックの撮影は、完璧なカメラワークとカラー映像の鮮やかな美しさで魅せてくれます。ラスト・ショットに刻まれた、ひとり去っていくジョン・ウェインの孤独が何とも味わい深い。
おはようございます。名文コメント有難うございます。最近、配信で今作品頃の映画を見始めたモノには、いつも大先輩の映画愛、知識溢れるレビューを"勉強になるなあ。"と思いながら、拝読させて頂いております。今作品のレビュー及びコメントも、とても勉強になりました。これからも、宜しくお願いいたします。(実は、最近映画館で観る映画より、当たり前ですが、配信で観る名作映画の方が面白いのです。)けれども、私はやはり映画館で観る映画で「Perfect Days」の様な作品を観てしまうと、映画館に足を運ぶのです。漆黒の闇の中、大スクリーンで繰り広げられる画を観る豊穣さは、アルプス山脈から観る雲海や、読書する中で頭の中に広がる感動と共に、私にとっては厳しい仕事をする中で、前に進む原動力となるからです。長文、お許しください。
Gustavさんのコメントから「アパッチ砦」を初めて鑑賞しました。フォード監督への認識も変わりそうですし、
Gustavさんのコメントも参考に観ることが出来ました。御意見も少しは理解も出来たように思います。本当にありがとうございました。今後とも映画.comでのお付き合いの程、宜しくお願いいたします。
「♥共感」操作方法の御教授ありがとうございました。
御指示通りなのかは自信ありませんが、
「♥共感」がどなたに頂いたものかが分かるようになりました。
そしてGustavさんに沢山の「♥共感」を頂いていることを知り大変恐縮いたしております。
今後の鑑賞後の皆さんの意見に触れることが益々楽しみになりました。
本当にありがとうございました。
こちらこそ恐縮しております。
私自身も詳しくはないのですが、ご参考までに「♥共感」の件についてお伝えします。(MYページ)の(設定)の画面の(メール/プッシュ通知)のチェックで表示のオン・オフが出来るようです。頂いた共感にはなるべくお答えしたいと思い初期のころから分かるようにしていました。
私もKENZO一級建築士事務所さんのレビューを楽しみに読ませて頂いております。ストーリーテラーの代名詞的な巨匠のルビッチ、ワイルダー、ヒッチコックがお好きなのが伝わり、勝手に親近感を抱いておりました。どうぞ宜しくお願いします。
コメントありがとうございました。
ただ、まだまだ映画.com新人としては、Gustavさんが何故、共感クリックした相手が私だと分かったのかも不思議でいるレベルです。
さて、Gustavさんの高い見識のレビューにはいつも感心して拝見させて頂いており、己の観た作品にGustavさんのレビューを探すことも多々あります。
私の映画鑑賞での重要な点のひとつに、「リアリティあるストーリー展開」というものがあり、そう言った意味ではリアリティに欠けたシーンや都合良くストーリー展開を図る作品に抵抗を持ってしまい、作品を鑑賞する上で視界を狭くしている傾向はあるかも知れません。
早くGustavさんのような、より大きな視点で鑑賞出来るようになれればと思いますので、今後とも映画.comでのお付き合いのほど宜しくお願いいたします。