「PLAN75とこの映画、悪行を働くのは民間だ。民間は司法の裁きだけで済むが 国では立法で廃案、その後、司法の裁き。どちらの話も、立法が省かれた独裁国家と言える。それを知られたくない。PLAN75は特に」ソイレント・グリーン マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
PLAN75とこの映画、悪行を働くのは民間だ。民間は司法の裁きだけで済むが 国では立法で廃案、その後、司法の裁き。どちらの話も、立法が省かれた独裁国家と言える。それを知られたくない。PLAN75は特に
高校の頃は映画ばかり見ていた。千葉の田舎から銀座、上野へ、毎週の様に見に行った。
さて、この映画は、その頃、封切りで見た映画。飛び抜けて面白い訳では無かった。
さてさて、この映画が、2022年の出来事時だとは知らなかった。また、出鱈目な話だが、あの『plan75』よりはしっかり出来ていると思う。HGウェルズは『タイムマシン』で見事にディストピアを描いたが、この映画はそれをリスペクトしていると思う。この類の話は全て『タイムマシン』が元祖だと思う。『猿の惑星』とか『カッシアの物語』とか。だから、出鱈目な話は、遠き未来に置くべきだ。2022年を迎えた今『ソイレントグリーン』は出鱈目な話だと露見してしまった。もう一つ。『アキラ』も同類だが、話の中の出来事が、直近起きるかもしれない大惨事をペシミズムすると、『アキラ』の中の社会は、現代世界の現状の誇張と感じた。
しかし、あのPLAN75は、今起きている社会問題を、ありえない話として描いてしまっている。つまり、重い現実の問題を、架空の話の中で、しかも、解決方法のない話として描いている。芸術であっても、解決しなければならない話を主題に置くならば、解決方法を盛り込まない限り、シャッターを押しただけの写真になってしまう。しかも、悪い方向ヘ歪められた、醜く映るフィルターを使っているとなれば『PLAN75』の監督は全く才能がないと断言できる。監督をやった事のある、あの芸人のレベル以下だと断言する。
ソイレントグリーンの監督はこの映画を撮った時、背景にはベトナム戦争の混迷があったと思う。『タイムマシン』の描くディストピアな世界が、ベトナム戦争の先にある。と言いたかったと考える。だが、あまりにも『タイムマシン』を意識している。また、あくまでも商業映画だ。『マンディンゴ』みたいな映画も作るけど、彼は商業映画の監督として自覚はあったと思われる。黒沢監督の代役で撮った映画が『トラ・トラ・トラ』それだ。