劇場公開日 1974年12月14日

「殺しのライセンスを持つ男vs黄金銃を持つ男」007/黄金銃を持つ男 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5殺しのライセンスを持つ男vs黄金銃を持つ男

2020年7月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

シリーズ9作目。1974年の作品。

ボンドの元へ“007”と刻まれた黄金の銃弾が届けられる。それは“黄金銃を持つ男”と呼ばれる世界一の殺し屋、スカラマンガの物と推測。殺害予告か…? 手掛かりを頼りに、ボンドは香港へ飛ぶ…。

正体不明、金色に輝く銃、殺人が何よりの楽しみ…。自分とボンドは似ていると自称。
シリーズでも屈指のインパクトを残す敵役、スカラマンガ。
演じるは、クリストファー・リー。
言い換えれば、ボンドvsドラキュラ!
この名優の巧演もさることながら、リーは原作者イアン・フレミングの従兄弟で、フレミングはリーをイメージして『ドクター・ノオ』を書いたとも。つまり、ボンドのモデル!
そんな縁ある彼が満を持してシリーズに登場。
弾は一発で、西部劇のような一対一の決闘スタイル。相手をアル・カポネやボンドの蝋人形が置かれた奇妙なカラクリ屋敷に誘い込む。
報酬は一人100万ドルで、秘密の小島を所有し、そこで贅沢な暮らし。
語り出したらキリ無いが、最大の謎は、身体的特徴。乳首が3つ。
謎に包まれている存在なのに何故それだけは知られているのか?…という事はさておき、本作で特に重要な意味ナシという衝撃…!

ボンドガールは2人。
美魔女のモード・アダムズと若い美女ブリット・エクランド。
前者はスカラマンガの愛人アンドレア、後者はボンドの助手グッドナイト。
実はボンドの元に黄金の銃弾を送ったのはアンドレア。スカラマンガとの関係を解消したく、ボンドに抹殺して貰う為。彼女は自由になれたのか…?
実質のボンドガールはグッドナイト…なのだが。敵に囚われたり、“お尻スイッチ”など、ある意味歴代最おバカボンドガール。水着姿は眩しいが。

もう一人印象的なキャラは、スカラマンガに仕えるニック・ナック。
小人ながらスカラマンガの周りの雑務を全て一人でこなす器用者。
スカラマンガに非常に信頼されているが、彼に忠誠を誓っているような、彼の莫大な遺産を狙っているような…。
実は、一番のクセ者だったり…?

舞台は、香港。
『ドクター・ノオ』や『二度死ぬ』などアジアと縁あるが、今回は訳アリ。と言うのも、前年の『燃えよドラゴン』の大ヒットでカンフー映画ブーム。前作に続き、流行りを取り込む。
本作でもカンフー・アクションがあり、ちゃっかりあの伝説スターみたいな敵役も登場。
でも、何かシュール…。
香港のドンの屋敷にスモーレスラー用心棒が居たり、結局この当時の欧米にとってアジアの国はごちゃ混ぜ…?

アクション・シーンの見せ場は、中盤のボート&カー・チェイス。
カー・スタントでは、目前の壊れた橋を一回転してジャンプして着地すると言うのも荒業披露!
さらに、前作の某キャラが再び登場。ワンシーンくらいの登場かと思いきや、がっかりこのチェイス・シーンに絡んでびっくり!

ボンドとの決闘の傍ら、太陽光エネルギー変換装置“ソレックス・アジテーター”を持ち主を殺して盗み、強大な発電システム計画を目論むスカラマンガ。
定番の大陰謀展開になるも、やはり見所はボンドとスカラマンガの決闘。
勝負の行方は…!?

殺しのライセンスを持つ男vs黄金銃を持つ男!

近大