西部の男

劇場公開日:1951年1月11日

解説

製作は「我等の生涯の最良の年」「虹を掴む男」のサミュエル・ゴールドウィン、監督は「我等の生涯の最良の年」「女相続人」「月光の女」のウィリアム・ワイラーで、このコンビが「嵐ケ丘」に次いで発表した1940年製作の西部劇である。スチュアート・N・レイクのストーリーを「打撃王」「救命艇」のジョー・スワーリングと「追跡(1947)」「白昼の決闘」のナイヴン・ブッシュが協同脚色した。撮影は「嵐ケ丘」「我等の生涯の最良の年」の故グレッド・トーランド、音楽は「疑惑の影」「ラッキー・パートナー」のディミトリ・ティオムキン。「打撃王」「ヨーク軍曹」のゲイリー・クーパーが主演し、「打撃王」「ヨーク軍曹」のウォルター・ブレナン(本作品によりアカデミー助演賞を獲得)、「西部の裁き」のフォレスト・タッカー、「秘境」のトム・タイラー、「ママの新婚旅行」のチル・ウィルス以下ドリス・ダヴェンポート、リリアン・ボンドらが助演する他、「海の呼ぶ声」「哀しみの恋」のダナ・アンドリュースも出演している。

1940年製作/アメリカ
原題または英題:The Westerner
配給:大映洋画部
劇場公開日:1951年1月11日

あらすじ

1880年代のテキサス。牧畜業者の天国だったこの土地へ、新天地を求める農民が移住して来るようになってから両者の間には常に闘争が絶えなかった。土地の実権を握るロイ・ビーン判事は、酒場の経営者で、牧畜業者の後盾として農民に迫害を加えていた。馬泥棒の嫌疑で捕えられたコール・ハードンは、判事が女優リリー・ラングトリーに憧れを抱いているのを知ると、自分はリリーの髪の毛を持っていると偽って、その髪を欲しがる判事に判決を保留させることに成功した。牧童の横暴に憤激した農民が、判事に私刑を加えようとした時、コールは両者を調停し、リリーの髪の毛を与えることを条件に、牛群を農民の土地以外へ移させることを、判事に約束させた。コールは、マシューズ老人の娘ジェーン=エレンから髪の毛を貰い、リリーのものと称して判事に渡した。牛の害もなくなり、その年は豊作であった。感謝祭の当日、農民たちはダンスに興じたが、その虚に乗じて、判事は牧童を率いて農場や作物に焼き打ちをかけた。騒ぎにまきこまれ、マシューズ老人は非業の死をとげた。焼け跡で、断じてこの土地は棄てないと言いきるジェーン=エレンを見て、コールは判事の酒場に馬を走らせた。リリーが近くに興行に来るというので前景気をあおっていた判事の酒席に乗込み、コールは、判事に焼き打ちの責任を自白させ、更にその足で保安官を訪ねて、判事の逮捕状を発行させると共に、自ら副保安官となり判事の捕縛に向かった。判事はリリーの公演の切符を買占め、唯1人劇場にはいって行った。幕が開くと、舞台に立っていたのはリリーではなく、コールだった。烈しい拳銃戦が展開され、ついに判事は、コールの弾丸によって、憧れのリリーの足許に倒れて息絶えたのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第13回 アカデミー賞(1941年)

受賞

助演男優賞 ウォルター・ブレナン

ノミネート

原案賞 スチュアート・N・レイク
美術賞(白黒)  
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映画レビュー

4.0 西部の推し活

2025年8月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

1880年代のテキサス、在来の牧場主たちと新たな入植者たちの間で土地争いが絶えない。牧場主側の悪徳判事ロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)は悪法を盾に横暴の限りを尽くしてている。流れ者のコールが仲介し、対話による平和的解決が実現したかに見えたが、そう簡単にはいかない。
まさに今も世界で同じことが起こっている事実に驚くばかりである。

コール役のゲイリー・クーパーは相変わらずカッコいいが、今回はブレナンのサポートサイドに回っている。前半の二人の飲み比べとリリーをめぐる掛け合いが最高!
ブレナンの存在感は圧倒的で、人間味溢れる名演が役柄の非道さを凌駕してしまうほどである。

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sugar bread

2.5 【古典ですね、今の映画とは大違い、いい意味でも悪い意味でも】

2025年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

難しい

驚く

※評価出来ません、古典とは難しい
参りました....確かに判事役は怪演です、確かに憎めないところが無いこともないですが...でもあんまりですよねこの判事、まぁここらへんが昔の映画の不思議なところ。
 古い邦画も今の善悪の尺度や感覚では理解できないところが沢山あります。

乗馬や髪の毛を切るシーン、様々なキチンとしたショットも感心しましたが若かりしゲーリークーパーがビックリする良い男です(背が高すぎて馬が小さく見えちゃう、脚が長くてスラっとしてモデルみたいです)、判事が映えるのも実はクーパーの颯爽さがあってのものでしょう。

西部劇をそれなりに観てきたつもりでしたがフト思うと名高い名作とジョンフォードの作品が多くてよく解っちゃいないんだなぁと反省、してもしなくても良いんですが、独りしてしまいました。

判事は実在の人だそうで当時のアメリカ人の中で有名だったんだろうなぁと、ある意味で大河ドラマみたいな感じで歴史を踏まえながら当時の観客は観たんだろう、だから100年はたってないけど大昔の映画をどうこう言ってはいけないのだろう、源氏物語じゃないけど別な今とは別なモラルがあったんでしょうね。

※ジョンフォードの作品と比べると素直な娯楽作品でした、フォードの映画はもっと文学的ですよね

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金北山を仰ぎ観て育って

3.5 【”西部の男の心意気と情け”人間臭い悪徳判事と正義感溢れる流れ者の男の対立と不思議な友情を描いたヒューマン西部劇。】

2024年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

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NOBU

3.0 牛は大事

2022年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy