「愛を乞う人」スリング・ブレイド yuitosさんの映画レビュー(感想・評価)
愛を乞う人
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シンプルなストーリーの中フラットでありながらも時間の長さを感じさせない作りはうまい。穏やかな中に程よい緊張感があり、全体としてはハートウォーミングな知的障害を持つ殺人者と子供の交流といった感じ。登場人物全員が優しいからこそハッピーエンドにしてほしかったなぁ。
大切な人を守りたいからといえど殺す程か…いや知的障害があるから…いやでも…
悪人扱いされていたがドイルはただのチンピラだし、子供にサラダをよそったり優しさも垣間見える。母はダメ男に入れ込むが息子の為もあるだろうし何より誰にでも優しい。子供も満たされてないにしてもそこまで不幸でもない…そんな中であのラスト。子供の為を思い自分の過去と重ねたからこその行動だろうが、結果的に救われたのは病院に戻りたかったカールだけじゃない?
しかしもし、もしもカールの母親を殺したのがカールじゃなかったとしたら。知的障害をもった息子にその罪を父親が擦りつけていたとしたら。
父と対峙するシーンは父親の愛を乞う25年前の少年の姿、涙が出た。父の座る椅子の壁に飾られた沢山のキリストが印象に残った。
ビリー・ボブ・ソーントンの演技が素晴らしかった。
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