「これぞ、裏「トイ・ストーリー」!」スモール・ソルジャーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ、裏「トイ・ストーリー」!
ジョー・ダンテ監督による1998年の作品。
日本では同時期に「アルマゲドン」「ジョー・ブラックをよろしく」「6デイズ/7ナイツ」など大作・話題作が公開されたが、個人的に一番面白かったのはこの作品。
映画をざっくり簡単に説明すると、動く玩具の話。(←ざっくりし過ぎ?(笑))
なので、ファミリー向けと思ったら、大間違い!
軍事用マイクロチップを埋め込まれたアクションフィギュア“コマンドー・エリート”が人間に戦争を仕掛けてくる…!
コメディタッチだけど、毒気たっぷり。ファミリー向けではなく、寧ろ大人向け。
このコマンドー・エリートが、意外に手強く、かつしつこい。人間もたじたじ。
そんな人間たちに協力するのは、モンスターフィギュア“ゴーゴナイト”。玩具メーカーからは悪役として発売されたが、実は心優しきクリーチャーたち。
善と悪の立場の逆も皮肉が効いてて面白い所。
コマンドー・エリートvs人間&ゴーゴナイトの小戦争の行方は…!?
キャストに少女時代のキルスティン・ダンスト。
声の出演に、トミー・リー・ジョーンズ、ブルース・ダーン、ジョージ・ケネディ、アーネスト・ボーグナイン、フランク・ランジェラ、クリスティナ・リッチら錚々たる面々。
スタン・ウィンストンによるSFXは素晴らしく、何故オスカー視覚効果賞ノミネートならなかったのか、今でも疑問。
「パットン大戦車軍団」「地獄の黙示録」のパロディ、「特攻大作戦」など往年の娯楽戦争映画へのオマージュもいっぱいで、映画好きならさらにニヤリ。
(「パットン〜」風のシーンで、ジェリー・ゴールドスミスも「パットン〜」風の音楽を流して遊んでいる)
玩具を題材にした映画と言うと、ほのぼの楽しいのが相場だが、こういう毒気に満ちたのも有り!
小品だけど、見て損はしない娯楽作。
ジョー・ダンテは最近、監督作は途切れ途切れだけど、またこういうユニークな作品を作って欲しいなぁ。