「アンサンブルドラマでバックステージものの、画期的な名作だ。」ステージ・ドア 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アンサンブルドラマでバックステージものの、画期的な名作だ。

2024年9月28日
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NYの下宿寮で、演劇女優を目指す女性たちの悲喜こもごもを描く人間ドラマ。キャサリン・ヘプバーンが代表作と言える名演だし、ジンジャー・ロジャースやアンドレア・リーズなど、キャスト陣の好演が光る。

芸能界で成功を夢見るバックステージものとしても、ライバルであり戦友でもある人々のアンサンブルドラマとしても、後々の映画作りに非常に大きな影響を与えた作品だと思う。

後世のこの手の作品の「見慣れた」部分の先駆的な作品であり、当時としては革新的な作品だったに違いない。それだけに、良い意味で粗削りだし、力技で見せつける感動的なドラマに仕上がっている。

女性たちの丁々発止のやり取りや、個々のキャラクター造形がとても良い。俳優陣の特筆すべきパフォーマンスが、本作の価値を大いに高めている。アンサンブルドラマでバックステージものの、画期的な名作だ。

瀬戸口仁