「ジャッキー、四十にして惑わず!」酔拳2 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャッキー、四十にして惑わず!
実在の武術家、ウォン・フェイフォンをモデルにした人気カンフー映画の第2作。
英国領事館を通して国宝の横流しを行う悪党たちにフェイフォンが立ち向かう。
主人公フェイフォンを演じるのは、前作と同様ジャッキー・チェン。
少年時代、この映画を観てジャッキーに憧れた男子は沢山いたはず。自分もその1人です。
とにかくジャッキーの体のキレが凄まじい!
当時40歳とはとても信じられない!
列車に乗り込むという様な、何気ない場面ですらとんでもないことをしているのがジャッキー流。
映画の冒頭からカンフーを披露しまくっている贅沢な作品。
特にクライマックスの製鉄所でのバトルは映画史上に名を残す名場面でしょう!
敵役のジョンの脚技の素晴らしさは必見!漫画でしか観たことない様な技のオンパレードです。
確かにクライマックスは素晴らしい!
…が、そこに至るまでの過程は正直イマイチかも。
ジャッキー映画に物語性を求めてはいませんが、それにしてもお話が退屈。
映画冒頭でフェイフォンと闘う軍人武術家マンケイが再登場してからがこの映画の本筋だと思うのですが、そこまでが長すぎる。
コメディ要素はジャッキー映画には欠かせないものですが、もっとお話の中に組み込むことが出来たはず。
マンケイの登場をもっと早めるだけで、ストーリー性がグッと強まる様な気がしたのでそこは残念。
あと、本作のフェイフォンの年齢はおそらく10〜20代くらいだと思うのですが、流石に40歳のジャッキーでは違和感がある。
継母役を演じたアニタ・ムイよりジャッキー年上だし…
無理に若者設定にする必要あったのか?
子供の頃に観た時はジャッキーかっけー!という印象しかなかったが、今観ると気になる点もチラホラとある。
とはいえ、白い武道着に着替えたジャッキーの神々しさは歴代No.1のカッコよさじゃないでしょうか!
いかにも中国っぽいBGMはサイコー!使い方も上手い!
清朝末期という世界観を再現した衣装や建物も雰囲気バッチリ!
「水能載舟 亦能覆舟」の言葉、お父さんがフェイフォンに向かって言う時と、ラストバトルに挑むフェイフォンの扇に書かれている時とで意味が違うんですよね。
酔拳は自らにとって諸刃の刃となるという意味で使われた言葉が、自らが大河となって悪を挫くという意味に変わっている所は中々粋だと思います。
自分のパーソナリティを決定付けた特別な一本。