「作品そして記録として尊いもの」真実の瞬間 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
作品そして記録として尊いもの
スペインの闘牛というものを克明に描ききっており、闘牛とはどんなものなのかこれを見れば一目瞭然、これを超える“説明”は皆無に等しいように思ってしまった。
古典的なストーリー展開ではあるけれど、丁寧な描写とともに迫力ある映像により非常に引き込まれ、流れがシンプルが故に、非常に面白いと感じられる。
面白いのと同時に、闘牛の魅力と衰退してしまう理由が明確に記録されていて、作品というものを超越した歴史的記念碑に似たようなものを感じる。
いろんな意味でこのような映像をつくり出すことは、もはや不可能に近いだろう。
とはいえ、ドキュメンタリーとフィクションの融合という観点からすると、非常に参考になるような作品だと思うし、これを超えるリアリズムを常に欲するところではある─まぁネオリアリズモの頂点を極めるような作品なので、非常に難儀なことだろうけれど…。
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