劇場公開日 2018年7月23日

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「メモ」処女の泉 happyhappy310さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0メモ

2015年11月25日
PCから投稿

私はベルイマンの映画が好きです。難しいテーマといえばそうかもしれませんが、神様とか人生について2時間足らずでまとめてしまう才能。ここまで分かりやすいとマセガキの中学生でも一度観ただけで影響受けるレベル。個人的にはそう思うのですが、いかかでしょう。。

『処女の泉』も例に漏れませんでした。この映画でテーマになっているのは「思わず罪に手を染めること」だと思いました。
冒頭、インゲリという獣のような召使はカーレンが憎いとオーディンの神に訴えます。娘の復讐の際、父親は無実の子どもも含めて3人の命を奪います。一人娘のカーレンは生前可愛がられていました。しかし特に父親になついているので、母親がそれを日頃妬んでいたことを告白するのは娘の亡骸を探しに行く時でした。カーレンの死は全員にそれぞれの罪を自覚させるのです。

一つ議論を進める形で、もう一つのテーマを提示するのはラストシーンの父親ですね。私はこの手で復讐を果たした。小さい子どもも殺した。神がいたとすれば、どうして私がそんなことをしえたか。神よ、あなたは本当にそこにいるのですか?私たちをちゃんと見守ってくれてます?黙ってないで答えてください、お願いですから。。。明らかに『第七の封印』におけるテーマは今作と共通しています。

中盤で乱暴されてしまう役でしたが、娘さんがかわいかったですね。難しい意味は分かりませんが泉のイメージにぴったりでした。

と、批評めいた文章になってしまった。
個人的に気になったところ
・父が枝を切るシーン
空に木が揺れて、地面に倒れる
・二人目の男殺害シーン
スクリーンが炎に焼かれる向こう側で二人の男がもがいている

絵力はんぱない!ブルーレイ買おうかしら。

自分がひねくれた人間なのは自覚してるけど、日常生活で私情に駆られそうになる瞬間、この北欧の映画で死んだカーリンと湧きでた泉のことを思い出したいと思う。これだからベルイマン好き。

happyhappy310