「エグ味は堪能出来るのだが…」食人族 shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
エグ味は堪能出来るのだが…
人が人を喰う。ニュアンスではなくフィジカルな意味合いで、貪り喰らうのがこの作品の醍醐味。ゾンビだけでは物足りなく、更なるリアリティが欲しいとルジェロ・デオダートは負けじとイタリアンのエグ味と表裏一体のサービス精神で作り上げた名作である。美術も最高であり、特にキーアートにもされている串刺し死体は見事しか良いようがない。後にも先にもない素晴らしい美術である。
確かに面白いのだが、この時代だから許された動物虐待のシーンには今でも不快さが募る。作品のために殺された動物たちにとてつもない悲しみと憤りを感じてしまう。カルト的な名作ではあっても、私の中では最低最悪の糾弾すべきクズ作品という思いもあって、未だに自分の中でスッキリとした評価が出せない複雑な作品である。
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