ショート・サーキットのレビュー・感想・評価
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ウオーリー(Wall-e)のお兄さん
冒頭の戦闘デモシーン、野の花を踏みつけて戦車が迫ってくる描写でロボット隊を応援したくなりますし、華奢なようで強いのよ、なめないでね!と伝わります、うまいですね。
ロボット隊は軍用ロボットSAINT(Strategic Artificially Intelligent Nuclear Transport:核輸送用戦略型人工知能)として、ノヴァ・ロボティクス社でニュートン・クロスビー博士により開発された設定です。博士自体は軍用に興味は無く、家事用ロボットを作りたかっただけと呑気なコンピュータ好きのオタク青年にしか見えません。ロボット隊の5体目、主人公のナンバー5(後にジョニー5)は充電中に落雷の影響で回路がショート(ショート・サーキット)したことで制御プログラムが変ってしまい研究所から出て行ってしまいます。
機密保持と危険(レーザー兵器着装)なことから回収のための捜索が始まりますが動物好きのステファニーに出会ったことで自我に目覚めたナンバー5は容易に捕まりません。業を煮やした研究所の警備主任スクローダーはロボット隊や軍まで動員して破壊しようと迫ります、ナンバー5は逃げ切れるのでしょうか・・・。
見どころはステファニーによってナンバー5が知性やユーモア、倫理観まで備わってゆく過程でしょう。知識は本やマニュアル、TVから吸収しますが価値観はステファニーのしつけでしょう、まさにディープラーニングです、軍用ロボットなのに人に危害を加えなくなりますし、自律思考を疑うクロスビー博士のロールハッシャテストや頓智問題にも難なく答えてしまいます。
ナンバー5のデザインは特殊効果コーディネーターのエリック・アラードさんのオリジナルです、脚本から軍用以外に愛くるしい表情を出せること、ダンスを踊れること、速く走れることなどで考えられました、カメラシェードは淀川長治さんの眉毛の様ですね。後のディズニーの「Wall-e」や「ターミネーター2」のHK-タンクに少なからず影響を与えたようです。
子供向けのコメディ映画だからでしょうか、わざとらしいくらいに人間側が間抜け揃い、警備主任のスクローダー(GWベイリー)は、はまり役ですが他はあまりピンときません。ナンバー5も子供のようにやたらちらかしまくるのですが機械感が強いのでちょっとイライラ感がでます。ほのぼの感や愛嬌では弟分のウオーリーの方が好みです。
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