「ドヌーブの脚が、」終電車 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
ドヌーブの脚が、
新進俳優と劇場支配人の妻であり女優でもある女性の恋。
そこに描かれている感情はその言葉ほどに単純ではないが、ここでは全編にみなぎるカトリーヌ・ドヌーヴの色香についてまずは言及したい。
階段を昇るときにスカートから覗くものに男の目は釘付けになる。
この脚が、ドパルデューに押し倒された際には、性行為そのものを思わせるに充分な妖しさを放つ。脚だけでこれだけのエロチシズムを表象するとは。
若い男を相手にこのような妖艶さを隠しきれない妻。その一部始終を秘密の地下室から見ている夫。
ナチの迫害から逃れ身を隠しているこの夫が、劇場の芝居を演出し、なおかつ美しい妻の恋をも演出する。他人に自分の妻を抱かせて興奮する男がいるらしいが、この夫もその一人であろう。
とある、エロティシズムの極地である。
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