「明るくて素直、正直な主人公に救われる♪」シャイン のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
明るくて素直、正直な主人公に救われる♪
午前10時の映画祭、最近ちょこちょこ観ています。
学問もアートも小説も宗教も、時代を超えるモノって、本質をついているんだと思います。
私が映画を習慣的に観るようになったのは、子育てが一段落したここ15年ほどなので、こうして良質な過去作を観ることができて、幸せです。
「シャイン」は、私、ホラーと思ってました。
「シャイニング」と勘違いしてました、恥ずかしい…。
ギフテッドの男の子が、父親から自立し、自分の人生を歩む話でした。
直系血族との関係って、ホントウェット。
私も、親、弟たち、子どもたちには、情が深いし、悩む・怒る・泣くなど、ひどく心揺さぶられるのは彼らに対してのみ。
それ以外の人たちには、割と理性的に対応できるんですけれどね。
きっと、自分の人生の課題と繋がっているから、ヒトゴトと距離をとって考えられないんでしょうね。
デイビッドの気持ちとシンクロして、作中結構泣きました。
強権的な父親に虐げられる未成年のデイビッドは、ホントにかわいそうでした。
父親も、子ども時代に第二次世界大戦による大きな心の傷を負い、最愛の息子を守ろうとしているだけなんですよね、やり方は間違っているけれど。
デイビッドも、子どもを持てば、このあたりの父親の心情が理解できたかもしれない。
ホント、直系血族は、カルマなので、自分の中でそれを昇華できる人はごく稀だと思います。
デイビッドは、大人になってからの方が少年のようで、だからこそ、奥様も自由な独身生活を手放しても結婚したんでしょうね。
映像表現が美しく、ピアノの音色も素敵で、デイビッドの人生がどうなっていくのかハラハラしてたら、エンディングでした。
実在の人物で、今も、奥様と幸せに暮らしていると聞いて、帰り道、ほっこり幸せな気分でした。