劇場公開日 1997年3月22日

「音楽映画の傑作!」シャイン live_at_luxorさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0音楽映画の傑作!

2009年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

実在のオーストラリア出身ピアニスト、デビット・ヘルフゴットの半生を描いた音楽映画。
そもそも音楽にまつわるストーリーが好きで、公開当時から大好きな作品です。

幼い頃から厳格な父親の英才教育を受け、音楽家としてのエリートコースを進む主人公。
音楽学校在学中にコンクール出場のために、ラフマニノフの超難曲に挑むのですが
この曲の血のにじむような特訓には父親のスパルタ教育のトラウマがつきまといます。

練習に練習を重ねて苦しみぬいた末、極限の精神状態の中で見事に弾きこなしてみせたのですが
演奏終了と同時に張り詰めていた最後の糸がプッツリと切れ、精神を病んでしまう…

そしてそこから本当の音楽人生が始まる。というお話。

この作品、クラシックのピアノ曲が満載の音楽映画なのは言うまでもないのですが
それ以上に魅力的なのがヒューマンドラマとしての側面。

決して平たんではなかった主人公の半生がクライマックスに差し掛かるころ
酒場で何か弾こうか?と軽~く「くまんばちの飛行」を弾き始めるシーンがあります。

激しさはないものの、ひたすら音数の多いこの楽曲をやさしく弾き始めると
ガヤガヤとしていた客たちがシーンと静まり返り、弾き終わると温かい拍手と歓声が巻き起こる。

苦悩を乗り越えて最後に辿り着いた自分の居場所。
そこでは何に追われることもなく、ただ純粋に音楽と向き合う事ができる…

このシーンの為にここまで観てきたとさえ思える最高の一コマ。
いつまでも心に残るワンシーンです。

余談ですが、そういえばこの作品のジャケット写真。
この作品と並んで大好きな「ショーシャンクの空に」とそっくりです。

両方を観れば場面の違いは歴然ですが、空を仰いで両手を広げるあのポーズ。
お気に入りランキングで近くにあるのがちょっと気恥ずかしい気がしてしまいます(笑)

※他サイトより転載(投稿日:2008/03/09)

live_at_luxor