「泣きたい」自転車泥棒 tokyotonbiさんの映画レビュー(感想・評価)
泣きたい
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思いが詰まる。
最後の息子の手を強く握りしめて泣く主人公が堪らない。
今後の生活、家族の食い扶持の仕事が失われる恐怖。
警察はあてにならなくて、手を尽くして探しても
盗まれた自転車は見つからない。
方々を歩き手掛かりを見つけても逃げ出されて、藁を掴む気持ちで怪しい宗教を訪ねても無駄。
犯人を探しだしても街の皆がグルで罵倒されながらその場を去る主人公。辛い。
息子と一緒に料理店に行って美味しい物食べてワイン飲もう、なんてシーンは明るくて、
それこそ映画ならここから好転してもいいのに、現状は何も変わらないまま。
最後は自分が自転車泥棒になって、息子を見ての温情で解放される。
驚いたのは街の人の生活がそのまま切り取ったように描かれていたこと。
当時の時代が本当に描かれていたようなものなのかまだ分からない。
でも華美な演出はなく素直な日常、現実が描かれてるように感じた。
食事の席でも、向かいの席には富裕層が座ってて本当に夢見せてくれないところとか。
その富裕層の半分以下の月給でも主人公家族達にとっては生きていく為のお金。
泣きながら人混みに紛れてく主人公達に、
どうか明日も生きてほしいと思わずにいられない。
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