「幾つかの謎の解明になった再鑑賞も、新たな謎が…」シックス・センス KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
幾つかの謎の解明になった再鑑賞も、新たな謎が…
約25年前のロードショー以来、久々の鑑賞。
以前、TV放映で観た兄が、
「ブルース・ウィリスは死んでいたのか?」
と、驚きの電話をしてきたのを
懐かしく思い出す。
結末は分かっているので、
今回は、少年以外の人々に
ブルース・ウィリスは見えていないように
どう演出されていたのだろうか、
との観点で改めて観てみたが、
妻とのレストランのシーンや
少年の母親と向かい合っている場面以外は
きわどいシーンを設定しておらず、
監督がそこに力点を置いてはいないようにも
思えた。
また、中盤での
死んでいるブルース・ウィリスを
目の前にしての「死んだ人が見えるんだ」
との、後で意味あるものと判る
少年の科白の場面は、
今回の再鑑賞でも見事さを感じたが、
新たに、少年を入院させることも出来なく、
薬も処方出来ないと
ブルース・ウィリスが
レコーダーに吹き込んでいるシーンが、
彼が幽霊との前提であることも理解出来た。
しかし、
改めて分からないままになったのが、
少年のお母さんが写真の中に“光”を見つけた
シーンだが、
それは幽霊の影なのかも知れないが、
写しているのは少年とは別の人物だし、
果たしてこの意味は?
また、少年が階段上で
他の子供たちに閉じ込められた後に
そのドアが開かなかったのは、
幽霊は物を動かせないから
少年が自ら鍵を掛けたとしか思えないが、
この真相は?
また、ブルース・ウィリスは少年に、
「ある子を救えなかった。
今度こそこの少年を助けてやろう。
そうすれば前の子も助けられる…」
と語りかけるが、
ヴィンセントは既に自殺しており、
これは、死んだ者同士として、
あの世で接することを前提とした
彼の気持ちの上でのことだったのだろうか?
幾つかの謎の解明になった再鑑賞も、
新たな謎が生まれる事態にも
なってしまった。