「アイルランド問題での融和を期待した作品?」静かなる男 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
アイルランド問題での融和を期待した作品?
なんとも不思議な映画だった。
中盤までは、
アメリカの開かれた進歩的文化と
アイルランドの閉じた伝統文化・風習との
葛藤が展開される中、
主人公が元ボクサーで試合中に相手を
殴り殺してしまったトラウマを抱えていた
という要素も加わるという、基本的には
シリアスな問題を扱っている作品なのだが、
コメディムードに包まれた作風だった。
そして、なんと最後は
徹底的なコメディタッチになったしまった。
そんな中で、カトリック対プロテスタント
の融和を期待するフォード監督の製作意図が
見えてきたように思えたがどうだろうか。
元々この作品のキネマ旬報での評価は高い。
「禁じられた遊び」「ライムライト」「探偵物語」
「落ちた偶像」「終着駅」「シェーン」等の、現在
でも誉れ高い名作の数々が公開された年に、
堂々の第6位にランクインされている。
シリアスな作品が多かった中で、
一服の清涼剤として日本人の感性にフィット
したのだろうか。
それにしてもこの作品の題名「静かなる男」の
意味が判らず、
どなたかに教えて頂けましたら助かります。
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NOBUさんのコメント
2024年2月22日
今晩は
随分前のレビュへのコメントをお許し下さい。
「静かなる男」の意味は、アメリカでボクサーとして活躍しながら、対戦相手を殺してしまった男が、故郷に戻り諍いを避ける「静かなる男」になろうという思いから付けたのかな、と思いました。
返信は不要です。では。