劇場公開日 1968年3月20日

地獄の天使(1967)のレビュー・感想・評価

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4.0ビリー・ジャックのシリーズ第一作で、この作品だけAIP制作配給

2024年6月5日
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監督のT・C・フランク、脚本はフランク&テレサ・クリスチーナは出演のトム・ローリンそのひと本人。

ベトナム帰りの元グリーン・ベレーという経歴のインディアン(混血?)の青年ビリー・ジャックが主人公のシリーズ第一弾で、このヒットからシリーズ化で第四作まで存在している。

基本的に以降は制作会社(AIPなど)抜きの自主制作路線になっており、第二弾はアメリカでは大ヒットしたらしいが、日本では話題にならずその二作目『明日の壁をぶち破れ』までしか公開されていない。

因みに、第三作は3時間級の長編だったようで、独立系の作品としてはアメリカでも異例の大公開と、独立系ならではの宣伝手法が話題を呼んでの大ヒットだったとか?
その後の映画の宣伝手法などへの影響を与えたとされる作品らしい。

今作は我が国では、当時流行った“ヘルス・エンジェルス”の事件などを参考にした「暴走族モノ」の一本のような扱いで公開されている。
まあ、当初はシリーズを想定してもいなかった様子で、確かに原題からも、如何にも族モノっぽい。

内容的には、傍若無人な振る舞いで街の住人も手を焼きつつも、その凶悪さに恐れをなしてなす術も無しの状態のバイカー集団はその結果、街の若い女子3人と通りすがりの女子、4名が連中の性暴力の犠牲になってしまう。
そこにこれまでも、連中の振る舞いに一人あがなっていたビリー・ジャックが、再び通りすがりの女子が連中の毒牙に掛かりかけていた場面に遭遇して、偶然に接点を持った事から巻きこまれ、争いから最終的な決着へと発展していくというストーリー。

これを聞いて分かるように、ストーリーのベースは西部劇っぽい。
バイクが出てくる以外は低予算で、その他のAIP系のバイカーものやその発展系の『イージーライダー』などの元祖的なところがある。

しかし、シリーズ化以降は次第に毛色が変わって、娯楽アクションというよりは、人種差別や政治的な要素等の方向性が盛り込まれた社会性の色濃いものへと変わって行ったようだ。
まあ、最終解決が“暴力”的であったりするところの類似点は、脚本、制作、監督、主演まで務めるトム・ローリン氏の指向によるものなのであろう。

個人的には、主人公と絡むエリザベス・ジェームズにぐっと来ちゃいました、という事で......

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アンディ・ロビンソン