「社会は進歩したのか?」死刑台のメロディ La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
社会は進歩したのか?
アメリカ史の汚点として語り継がれるアナーキスト弾圧のサッコとヴァンゼッティ冤罪死刑事件の物語です。音楽ドキュメンタリー『モリコーネ 映画が愛した音楽家』で彼がジョーン・バエズと映画音楽を作ったという事実を初めて知り、コッテリした音楽のモリコーネとフォークソングのジョーン・バエスの組み合わせが意外に思えました。それが、この映画だったんですね。不正義に対して抗議する彼女の切々とした歌声はやはり圧倒的な力で、二人は最良の組み合わせと言えるでしょう。
偏狭な憎悪の中で二人が電気椅子に掛けられて(1927) から6年後、日本では小林多喜二が警察権力の拷問により獄中死しています。それから、凡そ百年。不十分ではあるけれど、人間の社会は少しずつ進歩していると信じたい。
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