「登場人物がスマート」死刑台のエレベーター(1958) 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物がスマート
ジュリアンが社長室に侵入する際、鉤縄を使用していてやけに手際がいいなと思ったら、やはり元軍人だった。ここで登場する社長といい、後に出てくるドイツ人観光客といい、銃を突きつけられても動じず平静を保つ。そしてエレベーターに閉じ込められたジュリアンは、パニックを起こさず冷静に事態を認識する。やはり大戦経験者も多いこの時代は、肝の据わった人物が多いのだろうか。そんな登場人物のスマートさがこの映画の魅力の一つだと感じた。
ジュリアンは、途中エレベーターから脱出しようとして押しつぶされそうになっていてヒヤヒヤとした。ここで目も当てられないような死に方をして『死刑台のエレベーター』というタイトルに結びつくのかなと思いきや、回避できていたので関係無かった。
今作は、2つの事件と不倫が交錯して犯行が発覚するという緊張感のある展開で、楽しめる映画だった。
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