劇場公開日 2025年10月17日

「エイドリアーン!」ジェイコブス・ラダー(1990) naokiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 エイドリアーン!

2025年11月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

驚く

 私はJ・G・アビルドレセン「ロッキー」最後のシーンのように雄叫びを上げたかった・・・
映画誌(映画秘宝、キネマ旬報、DVD動画&でーた)で、あなたの名前を見つける事がありません。
どうしてなんですか?
「世界のカルト監督列伝(洋泉社)」にはポール・ハーボンベんやリドリー・スコットが載っていてもエイドリアン・ラインが無い・・・なぜに!?

 彼らも同じヒットメイカーとしてハリウッドで切磋琢磨したんですがH・ハーボンベンとR・スコットは今や巨匠扱いなんですがA・ラインは忘れられた存在のような感じです。

さて本題に入って「ジェイコブス・ラダー」

 これて町山智浩「トラウマ映画館」で紹介されたH・ハーヴェイ「恐怖の足跡」ではないか!?
またはR・アンリコ短編「ふくろうの河」

音楽で言えば、
シューベルト歌曲「魔王」

 あと題名を言うとネタバレになるので、あのどんでん返しで有名な作品(ここでも子役が重要)より先に作られたんですね。

 私は、てっきりPDSTを患ったベトナム帰還兵が始終幻覚に悩まされてる映画かと思いました。米軍の暗部を知り国を提訴しようとするが国のエージェントから目をつけられるハメにというサスペンス・・・のはずが

 最後の展開が“えっ、なんで!?”
じゃ、同棲している彼女は、あっち側の人?

 確かに冒頭の地下鉄シーンでジェイコブが乗客に話しかけても無愛想に無視される始末。全くNYの住人は冷たいなぁ・・・いや、そうじゃなくて。

 始終聞こえる不穏な音、だんだんと大きくなるヘリコプター音。救助ヘリコプターを十字架のように撮るのて凄い。

 前半のもやがかった映像。
ラストの天井にいざなう光は素晴らしい。
R・スコット「ブレードランナー」並みに映像へのこだわりが強いです。
NYの地下鉄を三途の川のように見せるB・J・ルービンの脚本とJ・L・キンボールの撮影は独特の世界観を醸し出しています。

 音楽も映像に寄りそった感じでJ・ゴールドスミスやJ・ウィリアムスの系譜からなるサントラ感があります。

 中途半端に国家陰謀論を絡めた展開は賛否両論を呼びますね。さまよえる魂一本で勝負すればラストの展開も“おぉ”と感動を呼んだ事でしょう。

 ジェイコブス・ラダーの原題は旧約聖書の「ヤコブの梯子🪜」だそうです。
私的には梯子を外された感があります。

 しかし欧米は天国のモチーフて階段なんですね。レッド・ゼッペリンの名曲でもありますし、A・ズラウスキー「ポゼッション」にも階段が天国を暗示しているシーンがありました。

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naoki
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