「60年代のフィルムによる鮮やかな色彩、軽やかなモーツァルトは最高だが…」幸福(しあわせ) osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
60年代のフィルムによる鮮やかな色彩、軽やかなモーツァルトは最高だが…
『5時から7時までのクレオ』を撮ったヴァルダが幸福をテーマに何を撮っていたのか?気になっていたのだが…
う〜ん… なんとも浮世離れな話…
これがフランスの恋愛至上主義の行く末?
愛に選択などは無く、どちらかを選んで決めることなどできない?
主人公のお相手の女優二人とも良かったけど、主人公の方がイマイチ。
ジャン・ルイ・トランティニャンあたりが演じていれば、もっと複雑で味わい深くなったか?
あるいは、そういった複雑な心理描写を敢えて潔く排除したかったのか…
印象派へのオマージュのような色彩映像は本当に素晴らしかったが、妻への罪悪感が全く表情に現れて来ない主人公の淡々とした佇まいが、あまりに浮世離れし過ぎていて…
なんともポカ〜ンとした味わいのまま終わってしまう映画だった。
尚、あの夫婦は実生活でも本当の夫婦らしく、あの可愛い子供達も実際に彼らの子供らしい。
ゆえに只々フィルムで撮るだけで、あの不思議なまでに自然な真実味が現出されていたようだ。
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