残酷猟奇地帯

劇場公開日:

解説

“暗黒大陸”と呼ばれて久しいアフリカの真実の姿を求めて、二十ヵ国十万キロを旅してとらえた猟奇と残酷のドキュメント。製作はアルベルト・グリマルディ、監督はグイド・ゲラシオ、アルフレッド・カスティグリオーニ。アンジェロ・カスティグリオーニ、オレステ・ペリーニが共同で当り、撮影はアルフレッド・カスティグリオーニ、アンジェロ・カスティグリオーニ、オレステ・ペリーニの三人、音楽はアンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノが各々担当。

1972年製作/イタリア
原題または英題:Africa Ama
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1972年12月23日

ストーリー

〈男根アクセサリー〉ある部族では、女は労働力以外の何ものでもない。男は、幼いときから見ているだけで、実際に、自分では手を下さず、従って彼女たちは早く老け込んでしまう。妊娠の時期と収穫の季節が一致する女には、畑仕事が免除される。そのせいか、ムンダン族は男根型のサイロを作る。彼らにとってセックスは信仰の対象である。マタカム族の女の性器カバーは、悪霊の侵入に対する防壁で、男根型のアクセサリーがついている。彼女らの男根を崇拝する異様な光景が展開していく 〈双生児残酷物語〉エウエ族では、双生児の一方が死ぬと、母親は魔術師に人形を彫ってもらい、それを生きている子と同様に扱う。そうしないと残った片方までが数週間のうちに死ぬと信じられているからだ。一方、双生児をいやしむのは、トーゴのある部族で、生まれた双児のうち一人は生き埋めにされる。ニアサ湖付近の部族は両方とも捨て、ボシマエ族は殺してしまう 〈残酷成人式〉カブライ族の成人の儀式では、幼い過去と別れを告げる印として愛犬をしめ殺す。もがく犬を押さえつけ、首の骨を折り、生きたまましめ殺すという残酷さだ。牝犬の場合は乳房を斬りとらねばならない。母への甘えを忘れさせるためである。儀式の仕上げは、彼らが、しめ殺したばかりの犬の肉を食う宴会だ。 〈セックス市場〉市場は各種族の交流の場だが、女たちにとっては、もう一つ大きな意味を持つ。それは彼女らの信仰の象徴である男根の彫りものが売られているからだ。お粗末なできでも、品質にクレームをつけたり値切ったりすることはできない。そして大事そうにそれを持ち帰りうやうやしく拝む女たち…… 〈愛と結婚のルール〉一般的にいって、アフリカの人々はエロチシズムの感覚を持たない。セックスは自然現象であり、あれこれ思い悩む性質のものではないからだ。とはいえ、マタカム族のような例外もある。この部族の恋する男は、ガンザバルという立弦ギターに思いのたけを託す。デート、求婚……。女にその意志がなければ、男が乳房に手をふれるのを拒めばいい。もし。OKなら、男は彼女の父親の承諾なしに結婚できる。ほどほどのストイシズムと自由さと……彼らの婚姻制度は、私たちのそれより進歩しているといえるかもしれない。

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