劇場公開日 1996年9月14日

「ハンス・ジマーがここでもあの旋律を!」ザ・ロック 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ハンス・ジマーがここでもあの旋律を!

2021年4月30日
PCから投稿

マイケル・ベイやブラッカイマーという名前がまとっている90年代アクション感の権化というか、ひとつの完成形と言える作品。ぶっちゃけ突っ込みどころは多々たるし、いま見直すとアクション面での物足りなさ(特に肉弾戦)はあると思うが、映画館で観たいジャンルのひとつとして、いつまでも作り続けられて欲しいので、本作をラインナップにいれてくれた「午前十時の映画祭」には心から感謝します。

おお!と思ったのは、序盤のカーチェイスシーンで『パイレーツ・オブ・カリビアン』のメインテーマのメロディが流れたこと。もちろんどちらの映画も音楽担当はハンス・ジマーであり、ジマーもまた、90年代以降の映画のフォーマットの形成に大きな役割を果たした人物だ。

そのジマーが、逆引きするならお試し的に本作のチェイスシーンに忍ばせた旋律が、のちに『パイレーツ~』でさらなる大舞台を与えられる。そんなドラマも感じられるのは、後から歴史を俯瞰できるからこそのお楽しみでありましょう。

村山章