さよなら子供たちのレビュー・感想・評価
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ホロコーストの犠牲になった少年とのつかの間の友情。
第二次世界大戦化のフランスの寄宿舎学校でのお話。
1943年。フランスはナチスドイツの占領下にあり、ユダヤ人は迫害されていた。
だが、親元を離れて兄弟で寄宿学校に入れられているジュリアンにとってはそんなことは日常の事ではなく、
同年代の男の子たちと共に日々勉学に忙しく過ごしていた。そんな中、学園に3人の転入生が来る。
そのうちの一人、ジャンという男の子がジュリアンと同じクラスになり、やがて少しずつ友情が育まれる。
だが、ジャン達転入生3人には秘密があった。彼等はユダヤ人で校長先生によって学園に匿われていたのだ。
大戦下でロシアではドイツ軍が反撃を喰らって形勢が不利になり、連合軍はイタリアに上陸した。
潮目が変わり始めていたのだが、たまに空襲警報が鳴り響き生徒たちは防空壕へ避難せねばならなかった。
ジュリアンはジャンの隠された秘密を知ることになるが、それを公言するつもりは毛頭なく、友情が続くかと思われた。
けれど、そんな日が1944年1月のまだ冬の朝終わりを告げた。
ゲシュタポが学園にユダヤ人と校長を逮捕しにやって来たのだ。
何故?ゲシュタポは何処から情報を得たのか?学園内で働いていた男が不正行為を咎められてクビにされた腹いせに校長を密告したのだった。
学園はその日を以って唐突に閉鎖されることになった。
別れを惜しむ暇もなく、校長と3人のユダヤ人の少年たちはドイツ軍に連行されていった。
それが残された生徒たち・教師たちが見た4人の最後の姿だった。
あまりにも唐突な幕引きだが、それは当時のユダヤ人の追放・強制収容所送りを象徴していたのだろう。
昨日まで普通に生活していたはずのユダヤ人家族が連行され、一晩でもぬけの殻になった家屋が残される。
「行方不明者」として探されることもなかった。何せ国家がそれを主導していたのだから。
「無実の少年たちを救えなかった後悔」の念はその場にいた教師・生徒の全員の胸に後年まで大きな影を落としたことだろう。
ルイ・マル畢生の”記憶映画”
「死刑台のエレベーター」「鬼火」「ルシアンの青春」と共にルイ・マル映画を代表する名作。クストーの海洋記録映画「沈黙の世界」でデビューしたルイ・マルの演出スタイルは、記録映画手法の即物的な視点が勝るもので、多様性のある題材の特異さに対して、とてもオーソドックスなものです。この自伝的な作品も、劇的な演出を避けて冷静に淡々と子供時代に経験した”忘れられない記憶”を描いています。西ヨーロッパの、特にナチス・ドイツの戦争被害を受け国家的にも個人の生活としても多大な影響を体感したフランス、ベルギー、オランダの映画を僅かながら鑑賞した個人的印象は、第二次世界大戦の記憶を消して忘れない執拗さです。それは、戦後の繁栄を享受し平和に浸る日本とは違います。恋愛映画やいろんな娯楽映画で、映画を楽しみ、映画で遊ぶルイ・マルが、「ルシアンの青春」で一つ上の世代を描き、そしてここで個人的な告白をする。それまでの30年の映画監督のキャリアを通して、今伝えておきたいことを切実に。映画が表現すべきものは何か、真実を伝達する映画の使命に答えた、”映画”に映画を捧げるルイ・マルの偽りのない心象がヒシヒシと感じられます。これは劇映画の形を借りたルイ・マル畢生の”記憶映画”と云えるでしょう。
いろんな事を考えさせられる
ある程度予習して観ました。
まずは子供をナチから匿うために親に寄宿学校へ入れさせられるユダヤ人の男の子と、何をしてもイマイチの主人公。
だが主人公の男の子は顔はフランス人の可愛らしい男の子はの
風貌。ユダヤの男の子は何をさせても卒なくというより、賢くこなせる姿に主人公は嫉妬して、彼のロッカーを勝手に見てしまう。
すると数学の教科書に彼の本名が書いてある。
そこで、彼がユダヤ人だと気付く。
ユダヤ人迫害がフランスの寄宿学校までも及んでいたとは、私は知りませんでした。なので驚きを隠せず見入ってしまった。
最後の授業へドイツ軍が乗り込んできて、ユダヤ人の彼の名前を呼んだ時に主人公は咄嗟に彼の方を見てしまい、ユダヤ兵士に彼がユダヤ人だとバレてしまう。そりゃ一生その出来事は忘れられないでしょうよと思った。
この映画を見て男の子を育てる元気、ないなーと思ってしまった。
休み時間は動き回ってるし、いたずらも頻繁。
元気もソコソコが良いと思ってしまった…
変化は突然やってきた
総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 25
淡々と寄宿学校での日常を描き続けられるが、とにかく話が前に進まない。演出には純文学的な瑞々しさはあるものの、授業や遊びといった普段の生活の風景が延々と登場したところでそれがどうしたというのか。全体としてはかなり退屈した。
そして戦争状態とはいえど比較的平和だった田舎の学校に突然にやってくる激動。前振りはあったとはいえそれまで静であったのに、いきなりの展開であったからこそ衝撃だった。何もかもが変わってしまって、まさに主人公には一生忘れることが出来ないものになった。最初から感じていた退屈さを最後の20分で一気に吹き飛ばして、総合としてはそれなりの点数。
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