「寡黙な殺し屋の静かな佇まい」サムライ(1967) しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
寡黙な殺し屋の静かな佇まい
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KBS京都「ウィークエンド指定席」で鑑賞。
先日、カンヌ国際映画祭で名誉パルムドールを受賞し、「これで本当の引退」と発言したことで話題になったアラン・ドロンの主演作。恥ずかしながら彼の出演作を初めて観ました。
フレンチ・フィルム・ノワールの系譜に属する作品なので、主人公に待ち受けているであろう結末は、容易に想像がつきました。しかし、そこに行き着くまで、だんだんとヒリヒリやハラハラが加速していく様に手に汗握りっぱなしでした。この手の焦燥感が大好きなので、夢中になれました。
アラン・ドロンの静謐な佇まいに痺れました。傷を負っても自分で治療し、追い詰められていても、全然平気かのように振る舞う。これこそまさに痩せ我慢のハードボイルド。
殆ど台詞が無く、劇伴も少ない。静謐さが緊迫感を演出しているが故に、突然訪れる壮絶なバイオレンスに目の覚める想いがし、その巧みな緩急のおかげで終始引きつけられました。
※修正(2024/02/04)
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