サマータイムキラー

劇場公開日:

解説

マフィアに父を殺された青年の復讐物語。監督は「ラスベガス強奪作戦」のアントニオ・イサシ。サミュエル・X・アバーバネルの短編小説をレイド・バックレーとブライアン・ディガスが脚色。撮影はファン・ジェルピ、音楽はセルジオ・バルドッティが各々担当。出演はオリヴィア・ハッセー、クリス・ミッチャム、カール・マルデン、ラフ・ヴァローネ、クローディーヌ・オージェ、ジェラール・バレーなど。

1973年製作/イタリア
原題または英題:The Summertime Killer
配給:東和
劇場公開日:1973年8月4日

ストーリー

孤独な一匹狼の殺し屋レイ(C・ミッチャム)の父は十年前、数人のマフィア仲間に惨殺された。その怒りと悲しみが、やがて彼を復讐の果てしない旅へと走らせた。夏の陽光の下で、レイは父親を殺したマフィアたちを次々と射殺していった。彼は次なる目標を求めてポルトガルに飛ぶ。一人残ったマフィアの大物アルフレディ(R・バローネ)を殺すために。アルフレディはすでに引退し、今はブドウ酒会社の社長におさまっていたが、身辺の警備は現役以上に強固だった。レイは非常手段として、彼の秘書であり情婦でもあるミシェール(C・オージェ)に近づいていった。そんな折、かっては麻薬担当たった関係で、いまは組織に使われているカイリー警部(K・マルデン)が、レイを逮捕するためにポルトガルに向っていた。その日レイは、農園見廻り中のアルフレディ狙撃に失敗し、そのためミシェールが彼の部下に密殺されてしまった。アルフレディばかりでなくカイリーからも追われる事になったレイは、フランスのプロバンスに飛んだ。そこで学生生活を送っているアルフレディの娘タニア(O・ハッシー)を誘拐、マドリードからほど遠くないエントルレス湖に浮かんだ小さなボートハウスに監禁した。レイはアニタの写真と共に果し状を同封した。一方、アルフレディも愛娘を取り戻すためにその挑戦に応ずる決意を固めていた。いよいよアルフレディとの対決を明日に控えた夜、レイとアニタは激しく抱き合った。やがて朝がくるとレイは決闘の準備にかかった。その様子から、アニタは全ての事を知り、復讐を思いとどまらせようと泣きすがった。マドリードの闘牛場。輩下の男たちとアルフレディは待ち構えていた。多勢に無勢、一瞬の迷いに乗じられたレイは左足に銃弾を浴びてしまう。レイは必死にオートバイで逃走し、やっとの事でボートハウスにたどりついた。だが、そこにはカイリー警部が待っていた。思わず駈けよるアニタを抱きしめるレイ。その若い二人の愛の確かな始まりを、静かに見つめていたカイリーは、自分がすでに失ってしまったものを感じ、つぶやいた。“二人で、どこにでも行け”。役目を果たし得ないまま、ニューヨークに帰ったカイリーには、非常な掟が待ち構えていた……。

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