「新たな時代に取り残されながら」砂漠の流れ者 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
新たな時代に取り残されながら
コミカルで緩い展開と少しのお色気に戸惑いながらも先行きが読めない物語が興味深く、頼りになりそうで間抜けにも思える主人公のケーブル・ホーグにイライラしながらも途中から魅力溢れる人物像へと、衝撃的なラストは劇的にはならず呆気ない様が和やかに。
序盤に馬ではなくロバを引き連れて、水を掘り当て中継駅を現代のガソリンスタンド、自動車や自動二輪が物珍しく、石油を掘り当てるべき時代、少しずつズレている時代遅れの男が奔走しながらも成り上がり新たな文明に殺されてしまうような結末!?
前作の『ワイルドバンチ』から初の現代劇でもある『わらの犬』による暴力描写が逸品な二作に挟まれたサム・ペキンパーによる異色な?西部劇は、時代に翻弄されながらも時代に取り残されてしまう男に哀愁が漂いながらも全体的に陽気な雰囲気が心地良い。
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