さすらいの航海のレビュー・感想・評価
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海上難民
冒頭ではナチスがキューバに渡ったアメリカの秘密書類を入手するためのカムフラージュだと説明していた。諜報員やSSなど数名が船員として乗り込んでいたのだ。
約1000人のユダヤ人を乗せた豪華客船。もう故郷ドイツには帰れないのではないかと寂しく思う者がほとんどだったが、ハバナで上陸拒否の噂を聞いている者もいた。ベルリン大学教授エーゴン(ウェルナー)とデニス(ダナウェイ)がメインで、元弁護士の夫と妻(リー・グラント)と娘アンナ(リン・フレデリック)の家族など、それぞれにドラマが生まれる。乗船のときから際立っていた美少女リン・フレデリックにちょと萌え。しかし、船員の一人マックス(マルコム・マクダウェル)と恋仲に・・・そんな彼女の父親も自殺未遂。ハンブルクへ戻るという情報を得るや、アンナとマックスは服毒自殺・・・裸で抱き合って・・・
人名、職業以外はすべて実話。シュローダー船長(シドー)の姿は勇ましく、信念に基づいたところに惚れぼれ。200人の連帯署名で海に飛び込むと言われはしたけど、最終的にはオランダが難民受け入れ。最後の紹介では937人中600人以上が収容所で死亡となっていた。
恐ろしくて震えました
ノンフィクション。
わずか70数年前にこのような絶望的な航海があったとは・・・
ドイツの港に戻れば死が待っている。
徹底的にユダヤ人に恐怖を味わわせようというのです。そののち収容所でガス室に送ろうというのです。
600万人が殺されたあのユダヤ人ホロコースト。
船の乗客の大多数が、結局再び捕らえられてしまって、命を奪われた・・・
美談のハッピーエンドじゃなかった。
エンドロールで愕然となりました。
俳優たちの迫真の演技は
“自分たちの国もあの船の漂流に加担した“ことの自責の故と感じました。
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