「ベルイマン」叫びとささやき kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ベルイマン
がんで死んだはずのアングネス。やってきた姉カーリンと妹マリーアのことが心配なので、死しても2人をベッドに呼ぶ。
3姉妹それぞれの回想シーンが展開するけど、顔が似ているため混乱しそうにもなる。性格の違いを見事に表現した脚本は素晴らしい出来。現実と過去を繋ぐ赤い画面のフェードイン&アウトが上流階級の闇を表現しているようで感情を揺さぶられる。3姉妹と使用人アンナそれぞれのクロースアップは陰影が強調されていて、喪服の黒、壁の赤が不気味なコントラストを保っていた。そして、安らぎを覚える白。アンナが胸元を露に死にゆくアングネスに母親のような態度で寄り添う光景が印象に残る。
医者との浮気が原因で自殺する夫というエピソードもあったけど、彼女たちの欲望に渦巻く世界も聖なるアンナによって浄化されるような。終盤には心霊的な怖さもあったが・・・
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