「やっと観た!こちらも粉砕…」サクリファイス(1986) CBさんの映画レビュー(感想・評価)
やっと観た!こちらも粉砕…
今回、早稲田松竹さんのおかげで、とうとう、それも「サクリファイス」「ノスタルジア」の二本立てという豪華組み合わせで、観ることができた。
観念的な映画だろうから、今回は予習してから行った、ということは、「ノスタルジア」のレビューで書いた通り。そして、そんな予習も吹き飛ばされた点も書いた通り。タルコフスキー監督、甘くなかったわ。
ただ、こっちのがまだついていきやすかった。
世界最終戦争が始まってしまったが、主人公がお手伝いさんとベッドを共にすれば、それを変えられるって、なんじゃいって話なんだが、主人公には幼い頃の何らかのトラウマがあって、そう簡単な話ではない。お手伝いさんは魔女だし。
と、わかったように書いても、自分でも何言ってるかわからない。何度も書くが、さすがタルコフスキー監督。
「それらは象徴ではなく比喩であり、スクリーンの中で起こっていることは現象である」と監督は答える。何かの例えなのね、教えてはもらえないけど。
この、投げかけておいて「自分で考えてね」という突っ放したスタイルが、俺がこの監督の作品を好きな理由かもしれない。
犠牲という意味のタイトルから連想し過ぎかもしれないが、だいぶ宗教入っている感じ、それもキリスト教。だから余計俺には、わからないのかも。(自分は八百万の神で、科学至上主義)
二本立てを堪能したわけだが、結論は、俺には、「ストーカー」「惑星ソラリス」が精一杯だってことかな。
ただ、観てないという長年の懸念を解消できたのは、やはり嬉しい。「鏡」や他の作品が来たら、また出かけていって、粉砕されてこよっと。
その機会が来るのは、また5年後くらいかなあ。
2020/9/10 追記
このレビューじゃ、タルコフスキー監督を誤解されかねないので、早稲田松竹さんの、短いが的確な紹介を載せておきます。
> 実際に訪れたカタストロフに抗うために自らを神に捧げる男
う〜ん、素晴らしい。「早稲田松竹 タルコフスキー」で出る紹介も是非参照ください。