地獄の最前線

劇場公開日:

解説

第二次大戦に祖国防衛に立ち上ったフィンランド兵士の姿を描いたフェイノ・リンナの『無名戦士』を原作にしたセミ・ドキュメンタリーの戦争映画。脚色はリンナ自身とユハ・ネファライネン。監督は、これで二十五本目というエドフィン・ライネ。撮影は、ペンティ・ウンホ、オスモ・ハルキーモ、オラフィ・ツォーミ、アンテロ・ルーホーネンの四人が担当。音楽はジャン・シベリウスとアンティ・ソンニーネン。出演はフィンランド国立劇場専属俳優のコスティ・クレーメレのほか、ユシー・ユルカ、マティ・ラーニン、ヘイキ・サフォライネンなど。製作T・J・セルッカ。なお原作は一九五四年発表され、三十万部売れたというが、原作者は日雇労働者。そしてこの映画は一九五六年度ベルリン映画祭で国際カトリック大賞を受けている。

1955年製作/フィンランド
原題または英題:Der Unbekannte Soldat
配給:大和フィルム
劇場公開日:1961年5月30日

ストーリー

一九四一年、フィンランドは前年の戦争で割譲したカレリエン地方を奪回、ソ連のペトロスボドスクおよびレヴェロ河の線まで進攻した。それから三年にわたる陣地対陣地の長期戦が始まった。前線には労働者、農民、知識人と国民各層の人々が兵士として送られた。最初の戦闘で彼らは冷い恐怖を味わった。突撃命令が出ても地にはいつくばったまま動かない者、恐怖におののく者……。しかし、激しい戦いの中にも彼らの人間性は失われなかった。冗談を言い合い、言語に絶する力で敵を追い払った。短い暑い夏と永い凍るような冬、あけてもくれても戦いはつづいた。やがてソ連の大反撃が始まった。近代装備をもたないフィンランド軍はたちまち敗戦へと追いこまれた。要塞地帯のMG線によって友軍の後退のために時を稼ぐ兵士たちは次々とソ連軍の戦車にふみにじられていった。彼らはいよいよ最後の絶望的反撃に出発した。--朝もやが晴れて、彼らが自国の領土へたどりついたとき、それまでうなりつづけた砲声が不意に止まった。待ちに待った休戦が成立したのだ。そしてフィンランドはフィンランド湾とラドガ湖の間のカレル地峡を失った。みじめな戦いをつづけた名もなき戦士たち、辛うじて生き残ったものだけが故郷の森の中に帰っていった。

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