「いい中古車を買い当てた気分 ~メグ・ジョーンズ」再会の時 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
いい中古車を買い当てた気分 ~メグ・ジョーンズ
1983年 アメリカ映画
自殺したアレックスの葬儀に大学時代の友人が集合する
全編に彼等が学生だった60年代のポピュラーソングが流れる(これが良かった)
芸達者が出演していて、大学紛争、ベトナム戦争等を経験した世代
(いまや中年にさしかかっている)の悩み、倦怠、空虚さを描いていて
《アメリカ人のナイーヴさ》を浮かび上がらせている
現実的なカレンの夫が小馬鹿にするのはこの辺であろう
また彼等が卒業したミシガン大学はアメリカンフットボールの強豪校であると共に
トム・ヘイデンが在籍し、ここの学生を中心にアメリカ新左翼の中心的存在となるSDSが誕生している
皆、オジサン、オバサンなのだが
若いクロエ(ティリー)と微妙にかみ合わず面白い
メグ・ティリーがその若さ、柔軟性(心も体も)、輝きをまるで彼等に当てつけるように
思う存分見せつける
彼女に悲しみはあっても疲労感はない
またアレックスと不倫関係にあったらしいサラ
(グレン・クローズ)が彼女とは言葉を交わさないのも
なんとなく同性としてチェックしてしまった
彼女の不倫とカレンの浮気も微妙に違う
地域に根ざしたサラとハロルドの夫妻といまだに漂流しているニックの違い
(でも彼はちゃんと戦争にいった)
さまよい続けるニックは(死んだアレックスも)
ピープル誌の記者であるマイケルより女心をつかみ続ける!
なんやかやで理解し合える仲間として再集合みたいな終わり方なのだが
〈コミューン〉みたいなものを連想させる展開にも…
またサラがメグに夫ハロルドを貸し出す処には
これは〈友愛〉ということだろうか?と思ったりした
(かなりのモラル崩壊とも言える… )
今日のアメリカの混乱の根のようなものも見た気がする
同世代で同大学卒業の監督は今日のアメリカを予想していただろうか?