「最後の最後で素直に観られなくなる」ことの終わり lylycoさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の最後で素直に観られなくなる
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愛と嫉妬が比例する面倒な作家と高級官僚夫人の情事の話なんて食指が動かないこと夥しいんだけど、なにやらアクロバティックな展開が楽しめるらしいってことで鑑賞。終盤近くまでは、サラの神への傾倒を一種の狂気として見てたんだけど、ラスト間近になって、夫人の死後に彼女が関わった少年に起こった小さな奇跡が描かれるに至って、なんだよ!そういう話だったのかよ!と。このエピソードによって、ベンドリックスの蘇りがほぼ確定してしまうわけで、解釈の遊びがなくなってしまう。サラの神への傾倒は当然のものだと思えるし、神にサラを取られたと嫉妬するベンドリックスも、さしてエキセントリックだとは思えなくなる。この辺りはもう少し曖昧なままにしておいて欲しかったなあと、個人的には思う。
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