劇場公開日 1994年12月10日

「天使と悪魔は紙一重である」ゴッド・アーミー 悪の天使 銀平さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5天使と悪魔は紙一重である

2010年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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昔、天界では、ルシファーが神に反旗を翻して起こした戦争があった。
そして今、第二次天国戦争が起こっており、その中心にいる天使ガブリエルは、更なる力を得るため、「最も邪悪な人間の魂」を手に入れようと人間界にやってくる。

ガブリエルは人間を滅ぼすことを目的としており、それを知った刑事トーマスは、ある事情で「最も邪悪な人間の魂」を体内に宿した少女マリアを、ガブリエルの手から守ろうとする。
・・・という物語です。

この映画に出てくる天使は、見た目は人間と変わりない、中年男性。なかには髭が生えている者も。
「コンスタンティン」(キアヌ・リーブス主演)に登場するガブリエルとは違って、翼は生えていないのですが、主演のクリストファー・ウォーケンの存在感・容姿・演技力によって、異様な雰囲気の漂うガブリエルを演じきっています。

CGはほとんど使っていないのに、出演する役者の演技力で、本当に人外のものらしく見えてしまうから凄いです。

目的のためなら人間はおろか、仲間の天使ですら、自分に味方しないとなれば簡単に殺してしまったりと、もはや悪魔のような(事実「気が向けば街を破壊するし、子供も殺せる」と言い放っています)、冷酷非情な振る舞いのガブリエルですが、車の運転ができずに、人間の手下を必要としていたりと、「天使だけど万能ではない」一面が面白いです。

あまり天使だの悪魔だのといったものには詳しくないんですが、両性具有だったり、視覚よりも嗅覚が鋭かったり、ありえない地点に座れたり、発火能力があったりと、一般的な天使イメージとはまた異なる、独特な天使像がこの映画の中にあります。

銀平