「【実存的危機に面した一人の女性クレオが、5時から7時の間に会った友人や見知らぬ人々と出会い、語らう中で仄かなる希望を得て行く姿を描いた作品。】」5時から7時までのクレオ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【実存的危機に面した一人の女性クレオが、5時から7時の間に会った友人や見知らぬ人々と出会い、語らう中で仄かなる希望を得て行く姿を描いた作品。】
■シャンソン歌手のクレオは、自らのがんの疑いに怯えていた。
診断結果を待つ間、彼女は占い師に自らの運命を占って貰ったり、パリの街中をあてどなく彷徨う。
今は5時。7時には医師と会う約束をしている。
クレオは友人や見知らぬ人々と出会い、死について考えをめぐらせる・・。
◆感想
・アニエス・ヴァルダ監督作品は、「ラ・ポワント・クールト」そしてそれ以降のドキュメンタリー作品「落穂拾い」「アニエスの浜辺」そして、遺作になってしまった「顔たち、ところどころ」を鑑賞して来たが、どの作品も彼女なりのテーマ性を明確に表現している点が優れていると思う。
・今作も、”心配し過ぎじゃないか‥”と思う程の冒頭のシーンから始まり、様々な人と触れ合いながら、検査結果が出る5時から7時までの2時間の彼女の表情の変遷を映し出している。
<そして、彼女はアルジェリアから一時休暇で戻った兵士と会い、彼の想いを聞くうちに、徐々に表情が和らいでいく。
時折テロップが流れる”○○~○○のクレオ”の出し方も効果的であり、一人の女性が死への恐れから脱却していく2時間の心模様の変遷が、見事に描かれた作品である。>
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