ゴースト・オブ・ミシシッピー

映画レビュー

4.0時代の変化

2024年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 公民権運動が活発だった1960年代以前のアメリカ南部は、警察官も陪審員も法曹もほとんどが白人の味方で黒人を蔑視した。そのため黒人に対する白人の罪も理不尽に無罪となる時代だった。そんな時代に黒人を射殺したベックウィズだから、30年後の再訴訟も無罪放免となると高を括っていたのだろう。しかし時代が変わっていた。30年前とは異なり、陪審員には黒人と女性もいるし、世間の人権に対する意識も高まっていた。だからベックウィズは有罪となった。そういった時代の変化というテーマを、30年後の再訴訟という形で見せたかったのが、今作なのだろう。

 作中で、主人公の子供たちに差別反対を言い聞かせるようなシーンがあった。時代の変化というテーマに関連して、新しい世代に差別を残さないというメッセージを込めてのことだろう。そういう意味で、激しい差別が横行していた無法地帯だった時代の人々と、差別が規制されていく新時代の人々との対比を感じさせる映画だった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
根岸 圭一