恋におちてのレビュー・感想・評価
全27件中、21~27件目を表示
いくつになっても、抗えない恋
本屋で出逢い、電車で再会する。
ところが観客はその前から二人のニアミスを見せられているので、運命的な出逢いだと解釈出来る。
奥ゆかしく、シンプルで解りやすい、すばらしいオープニング。
友人の離婚の理由を「愛がなくなったらしい」 と聞いた妻は「どこに愛なんてあるの」という。
でも、その妻は夫の「なにもなかった。もう会っていない」という告白に「その方が悪い」と言い、夫を許さない。
愛なんてありはしないと考えている妻は、夫の浮気話に愛の存在を感じたのだろうか。
一方、一日中男のことが頭から離れない女は、「いっそ彼と寝ていればよかった」と友人に話す。
肉体関係のある浮気とない浮気の違い。
男にとって、女にとって…。
この映画、お互いの妻・夫のどちらにも非はないところが重要。
夫婦関係に問題があったり、生活自体に問題を抱えていると、浮気したくなるし、浮気した自分を正当化できるが、この主人公たちはそうではない。
しかも、二人とも浮気性でもない。
そんな二人でも、ある日突然“恋におちる”ことがある。
そんな、分別があり、家族を大切に思っている真面目な人間が陥った恋には、もう抗えない。
人はそんな抗えない恋に憧れる。
歳をとればとるほど。
連絡手段が少なかった時代だからこその、もどかしさが良い。
名優競演
ロバートデニーロやっぱかっこいいな、最高にかっこいい。目線とか眉間とか。
メリルストリープめっちゃ綺麗だった。ただ、今より自分を消して演じてて少し薄いかなって思った。自分の経験とかで存在感だして、その上に人物を憑依させてさらに迫力を上げてる今の感じのがいい。
ストーリー的には、相手のことを考えると素直には喜べないけど、何度だって離婚していいんだ!何度だって結婚していいんだ!という気持ちにはなる
奥手で平凡な二人を演じる大物二人
総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 70
デ・ニーロとストリープという大物二人が演じるのは意外なほどに平凡で地味な人物。二人は会った瞬間にときめくわけでもなく、ロマンチックな愛が燃え上がるわけでもなく、ここぞという見せ場になるような濡れ場もない。むしろ家族持ちの身という立場を考慮して相手に魅かれる自分の心に自制をしながら慎重な態度を崩さず、しかし感情を持て余して平静ではいられない姿を実力派らしく地道に表現する。
日本語の題も原題からそのままの直訳だけど、やはり「恋に落ちて」なんですよね、大人なのに愛ではなくて。だからすぐに恋に落ちたり体を交わったりしないかわりに、一歩ずつ踏み出しながら止まってまた踏み出してという心の葛藤を描くから、奥ゆかしい日本の大人には合っている映画ではないかと思います。
全27件中、21~27件目を表示