汚れなき悪戯のレビュー・感想・評価
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美談のように語られる理不尽
大昔に、テレビの洋画劇場で見た記憶がある。子供心に強烈な印象を植え付けられた。とにかく、あらすじがとんでもなく残酷で望んでなったこととは言え、最後は天に召される事になる。すごく不条理を感じたものだ。
いい子にしていたら、なにか望みが叶うような展開で、「ママに会いたい」という望みをかなえるには死んで天国に行くことという結論がどうしても納得いかなかった。
途中からは、イリュージョンな展開で、禁じられていた部屋に飾ってある十字架のキリスト像が、いつの間にか動き出すようになり、マルセリーノは彼と意思疎通ができるようになり、直接、教えの言葉を受けながら、成長していくと思いきや、キリストの傷をいやしてやり、頭に巻かれたいばらの王冠を取ってあげる。
お礼になにか望みをかなえてあげよう。と言ったところから、そういう流れになるのだが、子供心に、「死」という概念がかなり揺らいだものだ。
小さな奇跡
総合75点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:55点|音楽:65点 )
古い白黒映画だし動きは少ないしで、当初はそれほど引き付けられたわけではなかったが、なかなかどうして感動作だった。両親を亡くして女性も子供もいない修道院で育てられる子供の天真爛漫な可愛らしさに参った。それだからこそ、そうきたか、という感じ。明るい悪戯っ子で12人もお父さんがいたけれど、本当はたった一人のお母さんがいなくて寂しかったんだなあ。個人的には特に宗教も奇跡も信じていないけれど、「十戒」や「ベン・ハー」と違って、この小さな物語の奇跡は違和感なく受け入れることが出来た。昔に授業で習った「マルセリーノの歌」も寂しく余韻を残す。
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