「H・フォード、P・ウィアー、J・シール、長いキャリアの最高作では」刑事ジョン・ブック 目撃者 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
H・フォード、P・ウィアー、J・シール、長いキャリアの最高作では
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タイトルも、あらすじも刑事映画というジャンルに沿っているものの、映画の中身はむしろ文学的かつ詩的。物語の大半は、美しくのどかな農村を舞台に淡々と進んでいく。
粗野な世界で生きてきた刑事が、暴力を否定するアーミッシュの村に潜伏することで、交わることのないはずだったふたつの世界とそれぞれの価値観が、ほんの少し交錯する。しかしお手軽に融和にいたるわけではないのがこの作品の誠実さであり、ジャンルの衣をまといつつも、まったく違う志を持っていることが非常に頼もしい。
本作でハリウッド進出したピータ・ウィアー監督とともにオーストラリアからやってきた撮影監督ジョン・シールの仕事も素晴らしく、商業映画が芸術性を兼ね備える最良の一例だと思っている。
(ただ現実のアーミッシュを簡単に美化していいものでないことは、その後に発覚した諸事件やリサーチなどでわかってきた。興味はもっても鵜呑みにしない、はあらゆる映画に当てはまる鉄則だと思う)
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