「あの「アンダーグラウンド」の切れ味はどこへ…」黒猫・白猫 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
あの「アンダーグラウンド」の切れ味はどこへ…
クストリッツァ監督の「アンダーグラウンド」
が余りにも素晴らしかったので、
「恋におちたシェイクスピア」や
「マトリックス」の年に
キネマ旬報ベストテン第7位にランクイン
したこの作品を見逃しているとの
焦燥感から初鑑賞した。
映画の冒頭は、他の映画にはない異質感に
期待が膨らんだが、残念ながら
キネマ旬報で何故この作品を第1位に押した
選考委員が2名もいて、
結果、ベストテン入りした理由は
全く理解出来なかった。
単なるノー天気なドタバタ劇にしか
感じ取れなかったし、
「パパは、出張中!」から
「ジプシーのとき」を経て「アンダー…」に
結実したはずのクストリッツァ監督の力量は
どこへ消えてしまったのだろうか、
と愕然たる思いだった。
「アンダーグラウンド」のような
歴史への隠喩や祖国への想いも、
何も感じ取れなかった挙げ句、
ラストで老人二人が生き返ってしまっては、
この映画、何を信じれば良かったのかと
途方に暮れてしまった。
この後に予定している
「ライフ・イズ・ミラクル」の鑑賞が
とても心配だ。
コメントする