「「黒水仙」の意味するところ」黒水仙(1946) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
「黒水仙」の意味するところ
26才のシスタークローダ(デボラ・カー)は 4名のシスターと共にヒマラヤの奥地に赴任する
都市部(インド コルカタ)とは全く違う 山岳部族の人々
高地の空気の透明さと強風も人々の心に関係しているらしい
(欲望に忠実で感情的)
シスター達の心にも波風が立ち始めるが
未熟なリーダー、シスタークローダはこれを止められない
そして自分自身も辛い恋愛の中に楽しい日々があったことを思い出す
この感情に蓋をして 奉仕活動をすることが ここの人々の心に響くのか…と思わされ
それが自己満足と受け止められもする
そして英国国教会の〈高潔な志〉の裏に非人間的な組織を感じたりする
昔はハーレムだった宮殿を利用するのも心を乱す
王子はこの女子教育の場に 香水をつけ宝石をひけらかしながら在籍する(この感覚)
飾りたて、自分に見惚れ、踊るカルチ(シモンズ)は甦ったハーレムの美女そのもの
鏡も効果的に使われ、彼等の自己満足、自己肯定、自己陶酔が感じられた
ジャック・カーディフ(撮影監督)の仕事振り他、見処満載の映画でした
そして英国映画らしい
(今度は字幕版で見たい)
とても面白く、観る人により色々な意見が出そうな映画でもありました
ちなみに黄色い水仙の花言葉は「もう一度愛して」「私の元に帰って」で
ラッパズイセンのは「尊敬」「報われぬ恋」など
この花はカルタゴで殉教した 聖パーペチュアとフェリシタスに捧げられているようです
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