劇場公開日 1980年4月5日

「見えない家族戦争」クレイマー、クレイマー トーレスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5見えない家族戦争

2011年6月9日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

父親のしつけ 母親との別れ 色んな問題を背負う小学生

とても単純なストーリーがために最後の終わり方はものすごい衝撃だ。家族の亀裂に気づかない父親のせいで夫婦が別れる。気づかないだけでなく家族が幸せだと幻覚を見ている最悪の父親。それに堪えられず子供を置いて逃げ、後になって子供を奪い返そうとする最悪の母親。そんな二人にとって息子のビリーは天使のような存在。これまで人間が築きあげてきた家族の中で何の問題もなく何の言い争いのない家族等いない。この映画を見ると改めて家族の愛が痛いほどわかる。素直な子供のリアクションがストーリーの軸になっている。がゆえに子供を中心に見てしまう。この映画の主役はむしろ人ではなく家族が主でありそれを上手く脚色したスタッフは優秀。この映画のテーマは"愛の延長線上にある対立"である。家族の愛は素晴らしいと伝えたいがためラストシーンは結果うんぬんより結局家族愛は何にも壊せないという表現であろう。

トーレス